みなさん、こんにちは。
京都オステオパシーセンターOQ 副院長の大村颯太です。
昨日は、院内で勉強会を開催しました。
講師は当院の坂田院長、参加者は理学療法士・作業療法士・鍼灸師など、経験年数はさまざまですが、いずれもオステオパシーの初学者でした。

今年から始まった院内勉強会。
第1回・第2回では、院長からオステオパシーの概要や治療コンセプトの説明、硬膜へのアプローチについて学びました。
そして今回の第3回では、以下の実技を行いました。
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仙尾関節リリース(腰仙関節リリース)
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大腿骨骨梁へのアプローチ
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股関節の牽引
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寛骨Y字軟骨のコンプレッション
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寛骨Y字軟骨の牽引
この実技を学ぶ過程の中で、特に大切だと感じた点を3つまとめます。
1. リリースの明確さ
私はオステオパシーを学び始めて3年になります。
これまで多くの講師や経験者のオンハンドを受ける中で、「リリースの明確さ」の重要性を強く感じてきました。
同じテクニックを使っていても、解剖学的なイメージ、体の使い方、組織の変化を捉える触診能力によって、効果はまったく異なります。
今回、坂田院長から直接指導を受けた際、コンタクトの深さやリリースにかける時間、強度、方向性が、非常にで高いレベルにあることを実感しました。
また、あくまで私の主観的なものですが、「組織だけでなく周囲の空間までもが変化していく」ような感覚です。これは以前、イタリアのパオロ・トッティDOのセミナーで脳卒中患者への大脳基底核のリリースをオンハンドで受けたときと同様の感覚でした。長年、構造的な変化に拘り続けることで得られるリリースの境地なのでしょうか。他の受講生はどう感じたのか、機会があれば聞いてみようと思います。
明確で深いリリースには、練習と経験の積み重ねが欠かせません。先は長いですが、今後も解剖学的イメージを大切にしながら練習を重ねていきたいと思いました。
2. 治療デモから学んだ「圧力の変化」
次に印象的だったのは、治療デモです。
20代の理学療法士の男性を対象にデモが行われましたが、彼の体は全体的に圧力が高く「パンパン」な状態でした。冗談めいて「パンパンマン」と呼んで場が和む一幕もありました 笑
院長は隔膜の問題を指摘し、股関節や骨盤へのアプローチに加え、足底から横隔膜へのリリースや胸腰椎部へのスラストテクニックを実演されました。
そのたびに、参加者全員が目に見えて分かるほど、体の張力が落ち着いていく様子を観察できました。まるで体から空気が抜けたかのような変化でした。このような観点からなる変化は理学療法などにはないもので、とても興味深い治療デモでした。
この経験から、隔膜や体内の圧力バランスを調整することの重要性を実感しました。今後は隔膜の解剖や圧力に関わる生理学についても整理していきたいと思います。
3. ルーティンから得られること
勉強会の冒頭、院長は「ルーティン」について話されました。
初学者が臨床に取り組むにあたり、まずルーティンで検査・治療を行うことが有効な面があるという内容です。
ルーティンのメリット
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治療の変化や経過を確認できる
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個体差を把握できる
デメリット
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個別対応の柔軟性が乏しくなる
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ルーティンに当てはめすぎる危険がある
今回は初学者向けということもあり、「まずはルーティン的にやってみる」ことを話されていました。
今回の参加者は、それぞれに環境は異なりますが、個人個人のできる範囲で日々復習に励むことで、次回以降の勉強会も実りある時間になると思います。
私自身も次回の研修までに、今回学んだ実技を日常臨床で繰り返し実践し、経験を積んでいきたいと思います。
参加者の先生方、次回も楽しみにしています。今後もよろしくお願いいたします。





お電話ありがとうございます、
京都オステオパシーセンターOQでございます。