はじめに
みなさん、こんにちは。京都オステオパシーセンターの大村です。現在オステオパシーの乳幼児分野の勉強中です。この分野はとても魅力的なので、たくさんの方に知って欲しいと思っています。
赤ちゃんの頭は、出産という大きな通過儀礼を経てこの世界に生まれます。
その過程で、頭蓋骨には強い圧力がかかり、形が大きく変化します。
この自然な変化は多くの場合、時間とともに調整されますが、時にストレスが過剰となり、頭の形や脳の発達に影響を与えることがあります。
1.出生時ストレスとは
以下の画像は「Pediatric Osteopathy」の書籍を参考にしています。
自然分娩における陣痛の形成過程では、赤ちゃんの頭は産道に合わせて形を変えながら進みます。この時、児頭には120~250mmHg(時には510mmHg)という非常に高い圧力がかかります。
また、産科鉗子や吸引器、外からの圧迫などの介助によっても頭部はさらに圧迫されます。
このような圧力は、生理的には頭蓋内圧を12~20mmHgの範囲で調整し、赤ちゃんを守る仕組みがあります。しかし、圧力が過剰になると頭蓋内圧は急上昇し、脳血流や酸素濃度が低下します。結果として、低酸素性虚血性脳損傷や外傷性損傷につながることがあります。
2.頭蓋骨の形状
出産直後の赤ちゃんの頭蓋骨は非常に柔らかく、複数の骨が縫合と呼ばれるつなぎ目で構成されています。
この構造は産道を通るための柔軟性をもたらす一方で、強い圧迫を受けると絶壁や斜頭などの変形が生じることがあります。
また、頭蓋骨の変形は単なる形の問題だけではなく、将来的な姿勢や運動発達にも影響を及ぼす可能性があります。
3.生後1年以内に頭蓋の調整を
頭蓋骨は生後1年間で急速に成長し、形も大きく変化します。
この時期にオステオパシーなどの優しい手技で頭蓋の動きを整えることは、自然な成長をサポートし、将来的な体のバランスにも良い影響を与えると考えられます。
特に絶壁や斜頭が気になる場合、早期のアプローチが有効です。
終わりに
出生時にかかるストレスは避けられないものですが、その影響を最小限にすることは可能です。
赤ちゃんの頭の形や発達に気になることがあれば、早めに専門家へ相談しましょう。
オステオパシーは赤ちゃんに優しい方法で自然な調整を行い、健やかな成長を支える一助となります。
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