
はじめに
こんにちは、京都オステオパシーセンター2Fの大村颯太です。オステオパシーに関する書籍を読むと、その哲学の深さに驚かされます。今回ご紹介するのは、あるオステオパシー医が自らの執筆動機を語った一節です。これを読むことで、オステオパシーが単なる手技療法ではなく、どのような考え方に基づいて生まれたのか、その根本的な理念を理解することができます。
原因の追求と解剖学に基づく科学
スティルは、目に見える結果(症状)ではなく、その根本原因を解明・修正することを最優先しました。外科手術や補助器具(温冷湿布等)に頼らず、動脈供給と静脈排出の正常化によって、腫瘍や感染症を含む諸疾患を治癒に導くという考え方です。オステオパシーは、解剖学・生理学に基づき、理論よりも実証・実践を重んじる神聖な科学であるとスティルは定義しました。
自然治癒力を引き出す手技と理性
スティルが示したのは、人体の「複雑な完璧さ」を理解し、解剖学的知識に基づいた手技と理性によって、薬物や道具を用いずに健康を回復させるというオステオパシーの本質です。動脈供給と静脈排出の正常化を通じて、身体が本来持つ自然治癒力を引き出すことを重視しました。これは、身体の構造と機能の相互関係を深く理解した上での、実証に基づくアプローチです。
平易な言葉で後進を導く教育的役割
スティルは、初学者や一般の人々でも理解できる平易な言葉で、実証可能な治療手順を体系化し、後進のガイドとすることを執筆の目的としました。この書籍を読むことで、不調の原因に迫り、原因の追求と観察力を重視する姿勢の構築につながります。これはオステオパシーの真髄にもつながることであり、オステオパシーを理解したいという方が読むべき書籍の一つです。
おわりに
1910年に出版された当時のスティルがどのようなことを考えていたのかを理解する一助となり、現代においてオステオパスが何をすればよいのかを考えるきっかけになり得る、非常に重要な書籍です。当院でも、この考え方を大切にし、一人ひとりの身体が持つ自然な治癒力を最大限に引き出せるよう、丁寧な説明と施術を心がけています。解剖学に基づいた手技と理性によって、身体の声に耳を傾ける時間を作ってみませんか。
参考リンク
WHY I WRITE THIS BOOK (書籍『Research and Practice』A.T. Still著より)
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