オスグッドが生じる原因とオステオパシーについて
はじめに
「膝のお皿の下が痛い」と訴える成長期のお子さんに多いオスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)。運動部の中学生によく見られるこの症状ですが、「なぜあの子はなるのに、うちの子はならないの?」と疑問を持たれる保護者の方も多いのではないでしょうか。
理学療法士として成長期のお子さんと接する中で、オスグッドは単なる「使いすぎ」や「成長痛」ではなく、身体全体のシステム異常の一つの現れであることを実感しています。
オステオパシーの観点から見ると、「身体は一つのユニット」という基本原理に基づき、膝の症状も全身の調和の破綻として捉えることができます。
1. 骨と筋肉の成長スピードのギャップ
成長スパート期における構造的不調和
成長期、特に身長が急激に伸びる「成長スパート期」には、骨の成長が先行し、筋肉や腱の柔軟性が追いつかない状態が生じます。
理学療法士としての解剖学的知識から、このアンバランスが膝下の「脛骨粗面」に強い牽引ストレスを与え、炎症・痛みを引き起こすメカニズムを理解することができます。
オステオパシー的理解:Primary Respiratory Mechanism との関連
オステオパシーでは、成長期におけるcraniosacral rhythmの変化が、全身の成長パターンに影響を与えると考えています。
成長ホルモン分泌との関連
- 視床下部-下垂体軸の機能変化
- growth hormone releasing hormone(GHRH)の分泌リズム
- 睡眠パターンと成長ホルモンの関係
骨端軟骨への影響 さらに、骨端核(骨の成長中心部)が未成熟な時期には、繰り返されるストレスが微小剥離や骨端炎(apophysitis)を引き起こしやすくなります。
2. 足関節の硬さと運動連鎖の破綻
足関節可動域制限の影響
「足首が硬い」状態は、背屈(つま先を上に曲げる動き)がしにくい状態を意味します。これにより、しゃがんだりジャンプしたりする際の衝撃吸収が不十分になり、膝関節に代償的なストレスが集中します。
3. 内分泌系・自律神経系の個体差
なぜ個人差が生じるのか?
同じ成長期・同じ練習内容でも、オスグッドになるお子さんとならないお子さんがいるのは、内分泌系・自律神経系・栄養状態・遺伝的要素などの複雑な因子が影響しているためです。
成長ホルモン系の個体差
- 成長ホルモン(GH)やIGF-1の分泌量・タイミングの個人差
- GH受容体やIGF-1の遺伝的多型(GHR exon3欠失など)
- 性ホルモン(エストロゲン・テストステロン)の影響
オステオパシー的視点:全身の調和としての理解
自律神経系の影響 心理社会的ストレスが強いと交感神経が優位となり、筋のこわばり感や痛みに敏感になる可能性が報告されています。
オステオパシーでは、sympathetic chainとparasympathetic nervous systemのバランスが、筋骨格系の緊張パターンに直接影響を与えると考えています。
栄養と代謝の影響
- 栄養状態や体脂肪率による調整効果
- 腸内環境と炎症性サイトカインの関係
- ビタミンD、カルシウム、マグネシウムの代謝
当院でできること
1. 構造調整
骨盤・仙腸関節の調整 成長期における骨盤の不整合は、下肢全体の運動連鎖に影響を与えます:
- 仙腸関節の可動性改善
- 骨盤傾斜角度の調整
- 寛骨の回旋パターンの正常化
脊柱の調整
- 腰椎前弯の適正化
- 胸腰椎移行部の機能改善
- 仙骨の nutationとcounternutationの回復
足関節・足部の調整
- 距腿関節の可動性改善
- 足根骨間関節の調整
- 足底アーチの機能回復
これらのアプローチにより、運動連鎖の正常化と膝関節への負荷軽減を図ります。
終わりに
オスグッドの発症には、「成長期の骨と筋のアンバランス」だけでなく、足関節の機能、内分泌系、自律神経系、栄養状態、心理社会的因子など多層的な要因が関わっています。
オステオパシーでは、これらの症状を局所的な問題として捉えるのではなく、身体全体の調和の破綻として理解します。
「治る力は、あなたの中にある」
この信念のもと、成長期のお子さんが本来持つ自然治癒力と成長力を最大限に引き出すお手伝いをさせていただきます。
当院では、理学療法士としての専門知識とオステオパシーの全人的アプローチを統合し、一人ひとりのお子さんの成長段階と特性に応じた個別の施術プログラムを提供しています。
成長期のお子さんの膝の痛みでお困りの方、スポーツ活動での不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
科学的根拠に基づいた評価と、お子さんの将来を見据えた包括的なサポートで、健やかな成長をお手伝いいたします。
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