はじめに.
オステオパシー医学は、アメリカのフロンティア医師であったアンドリュー・テイラー・スティル(Andrew Taylor Still)によって、19世紀当時の医療の不十分さに対する強い確信から確立されました。彼は、手術、産科、および一般的な疾患の治療を、より合理的かつ科学的な基盤の上に改善したいという強い願望を持っていました。
スティルは、解剖学の詳細な知識を基盤とした診断と治療の革新的なシステムを創り出し、身体、精神、感情、精神的な健康のすべての側面を統合する独自の哲学を構築しました。
彼の哲学は、単に治療技術を提供するだけでなく、健康と疾患の本質に対する根本的な理解を学生たちに求めるものであり、その指導方法自体がオステオパシー医学の発展に不可欠な要素となりました。
1. A.T.スティルの生涯と指導方法①:ドグマの拒否
A.T.スティルは、自身の新しいシステムを独自の医学カリキュラムとして統合しましたが、その指導において、彼の主張を教義(ドグマ)として受け入れることを期待していないと断固として述べています。
スティルは、自らの発見が個人的な観察、実験、事実に基づく知識の応用、そして理由付けの力に基づいていると主張し続けました。そして、彼は学生たちに対し、独立した思考と批判的検討を行うよう強く要求しました。
彼の指導の核心は、「理由付け(reason)」の義務にあります。彼は以下のように述べています。
「君たちは理由付けなければならない。理由付けよ。さもなければ、すべての事業で最終的に失敗するだろう。君たち自身の意見を形成し、得られるすべての事実を選び取りなさい。比較し、決定し、そして行動しなさい。誰の意見も使うな。ただ自分の仕事を受け入れなさい」。
スティルは、学生たちに自身のアイデアを研究し、テストし、改善するよう促しました。これは、オステオパシーが硬直した教えではなく、絶えず進化し、科学的知識を統合する「科学に基づいた医学体系」であり続けるための基盤となりました。
2. A.T.スティルの生涯と指導方法②:医師の役割
スティルは、医師の役割について明確な見解を持っており、それを指導の柱としました。彼は、医師が病気を治すのではないという考えを持っていました。
彼の見解では、医師の仕事は、身体が正常に機能するように構造的な乱れを修正することであり、機械を調整する整備士のようであるべきだとしました。彼は、以下のように述べています。
「健康を見つけることが医師の目的である。病気は誰でも見つけられる」。
スティルは、治療法(薬物)を「生命の精神が宿る物質的な家の中に、必ず置いている」と信じており、医師の役割は身体を調整することで、これらの生来の自然な治療法にアクセスできるようにすることだと考えました。彼の哲学は、身体の生来の自己治癒能力に完全な信頼を置くことに基づいています。
したがって、彼は学生たちに、身体が持つ治癒力を最大限に引き出すために、構造的な障害物(例えば、神経や血管を圧迫する骨や筋膜の締め付け)を取り除くための徒手的なアプローチを徹底させました。
3. A.T.スティルの生涯と指導方法③:全体性と責任
スティルの指導は、患者のケアに関する包括的な全体性を重視しました。オステオパシー哲学は、身体、精神、魂の統一という概念を包含し、患者を単なる病気の集合体としてではなく、ユニークな個人として扱うべきだと教えました。
彼が学生たちに伝えた重要な指導原理には、以下の点が含まれます。
- 病気の原因の理解 :病気は、構造的な異常に続く生理学的崩壊と宿主適応力の低下の結果であるとし、疾患には環境的、社会的、精神的、行動的要因が組み合わさっている多因子性を認識するよう求めました。
- 生活指導の重要性 :患者の管理計画には、食事、環境中の有害物質の除去、運動、アルコールや薬物乱用、喫煙の停止などの行動調整を助言することを強調しました。
- 患者の自己責任 :医師が患者を助ける責任を持つ一方で、健康に対する第一の責任は究極的に患者自身にあると強調しました。医師の役割は、患者が自身の内部のヘルスケアシステムをサポートし、障害物を取り除く方法を教え、モチベーションを与えることだとされました。
終わりに.
A.T.スティルが確立した指導方法は、オステオパシー医学が19世紀末に誕生して以来、教義に縛られず、科学的進歩とともに発展し続けるための土台となりました。
彼は、「治癒するのは患者であり、施術者が治すのではない」という基本原則を信じ、学生たちには常に患者自身の治癒力を最大限に引き出すことに焦点を当てた、個別化されたケアを提供するよう求めました。
スティルの教えは、医師が患者の体の構造と機能を調整し、結果を信じて待つという深い信頼に基づいたアプローチを今に伝えています。
【参考文献】 MICHAEL A. SEFFINGER Osteopathic Philosophy and History
#京都 #京都オステオパシーセンターOQ #オステオパシー #整体 #痛み #痺れ #麻痺 #姿勢 #歩き #A.Tスティル #指導方法 #理由付け #自己治癒力 #オステオパシーの歴史 #ドグマの拒否
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京都オステオパシーセンター:OQ
〒604-8366 京都府京都市中京区七軒町466
最寄駅:阪急大宮駅 徒歩2分
京都 中京区 めまい、頭痛、産前産後、不妊、
マタニティ整体、呼吸器、子供の発達、
脳卒中後遺症 人工関節、
慢性的な痛み(肩こり・腰痛・変形性膝関節症
変形性股関節症など)
受け付け時間:9時~21時(完全予約制)
坂田:日・祝 休み
大村:土 休み
問い合わせ先
【坂田】
LINE: https://lin.ee/clbSLGg
電話:075-822-3003
【大村】
LINE: https://lin.ee/XnR5zpR
電話:080-3850-1264
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






お電話ありがとうございます、
京都オステオパシーセンターOQでございます。