はじめに．
ある朝、洗面台で顔を洗おうとした瞬間、首に鋭い痛みが走り、動かすことすら難しくなりました。
普段は施術者として患者さんを診ていますが、今回は自分自身が「急性の頸部痛」を経験することに。実際に痛みを感じることで、多くの気づきを得ることができました。本記事では、その体験を通して学んだことをまとめます。
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1．睡眠不足と急性痛
連日、子どもの夜泣き対応で睡眠が浅く、明け方には冷えを感じて目が覚める日々でした。明らかに睡眠不足と体温低下が重なり、首の筋緊張が限界に達していたと感じます。
頸部は姿勢維持とストレスの影響を強く受けやすい部位です。疲労や冷え、緊張が蓄積すると、一気に筋スパズムや炎症を起こし、急性痛として現れることがあります。
2．神経症状なし、医療機関への受診は不要と判断
放散痛やしびれ、麻痺などの神経症状はなく、痛みは運動時のみ。緊急性は低いと判断し、自己管理の範囲で経過を観察することにしました。
「頸椎性神経障害」や「ヘルニア」を疑う症状がないことを確認したうえで、丁寧に体の変化を観察していきます。
3．自己治療と体の調整
まず頸椎の位置を確認すると、C4（第4頸椎）が左回旋していました。徒手的に軽度修正すると、痛みは残るものの動きやすさは改善。
続いて胸椎と腰椎をチェックすると、胸椎の硬さと腰椎伸展優位が見られたため、ゆったりと呼吸を入れながら各椎骨を可動させることで、首の緊張も少しずつ緩和しました。
次に、日常動作を一つずつ確認。特に起き上がり動作で痛みが強く、頭を手で支えながら頸部を完全脱力すると、痛みの誘発がなくなることを発見。
夜間の寝返りも同様に、手で頭を支えながら動くことで随分と楽になります。
さらに四肢の調整を行い、右前腕・左手首・左足首の構造バランスを整えると、首は痛いながらも「体全体として動ける感覚」が戻ってきました。
試しに「ひもトレ」は無効でしたが、アーシングマットに触れると瞬時に可動域が広がり、デスクワークによる静電気や電磁的負荷の影響を実感。夜は銭湯で温熱刺激を加え、さらに回復。月1回の温浴習慣を続けようと決意しました。
4．痛みで気づいたこと
痛みを通して「体を丁寧に使う」感覚が研ぎ澄まされました。
- 等速度で動けば痛くない、雑に動くと首に響く
- 施術のタッチがより繊細でソフトになった
- 抱っこ紐やスマホ操作による負担を実感、使用前後のケアが重要
- しゃがむ・支える動作の大切さを再認識。子どもの目線に合わせると首が楽
- 手で頭を支えるだけで起き上がりが楽。寝違えの方にも伝えたい大切な工夫
痛みは不便ですが、同時に多くの学びと気づきをもたらしてくれます。首に負担をかけすぎない生活習慣の大切さを改めて実感しました。
5．痛みを糧に
今回の経験で、「痛みは敵ではなく、体からのメッセージ」だと再確認しました。
痛みに囚われず、その背景を探ることが自分を見つめ直す機会になります。施術者としても、この体験が共感と技術の精度を高める糧になりました。急性の頸部痛にさえ、感謝の気持ちを持てる10月でした。
終わりに．
急性の頸部痛は、誰にでも起こり得る体からのサインです。原因を一つに限定せず、生活習慣・姿勢・睡眠・感情などを含めた全体性で見ることが回復への近道です。
痛みをきっかけに、体と心を丁寧に扱う時間を取り戻してみてください。
ただし、しびれや脱力などの神経症状を伴う場合は、速やかに専門医へご相談ください。
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