原子反射統合不全 ガラント反射について
はじめに.
赤ちゃんの発達の過程には、成長の土台となる「原子反射(Primitive Reflex)」と呼ばれる一連の自動的な反応があります。これらは、脳や神経系が成熟するにつれて自然と消失、つまり「統合」されていくものです。ところが、この統合がうまくいかない場合、姿勢や運動、注意力、情緒面などにさまざまな影響が現れることがあります。今回はその中でも「ガラント反射(Galant Reflex)」に注目し、役割や統合時期、統合不全による影響とオステオパシー的な考え方について解説します。
1.ガラント反射とは(役割・統合時期・検査方法)
ガラント反射は、胎児期から新生児期にかけて見られる脊髄レベルの原始反射の一つです。
背中の片側を刺激すると、同じ側に体幹が曲がるという反応が見られます。これは、出生時に骨盤をねじりながら産道を通る際に役立つ動きとされ、出産のサポートをする反射ともいわれています。
- 出現時期:胎生20週頃から観察されます。
- 統合時期:生後3〜9ヶ月頃までに自然に消失するのが一般的です。
- 検査方法:乳児の腹臥位(うつ伏せ)で、背骨の両側を上から下に軽くなぞると、同側へ体がくねるように反応します。これがガラント反射の陽性所見です。
この反射が成長後も残存している場合、身体的な動きだけでなく、注意力や落ち着きの面にも影響することがあります。
2.原子反射統合不全とは
「原子反射統合不全」とは、乳児期に消失すべき反射が、神経系の発達や姿勢制御の未成熟により残存してしまう状態を指します。
原子反射は、脳幹や脊髄など低次の神経中枢によって制御されています。通常は、大脳皮質の発達によってこれらが抑制され、より複雑で目的的な運動や姿勢制御が可能になります。しかし、その統合過程に障害があると、意図しない反射的な動きが残り、姿勢の崩れ・集中力の低下・学習や感情のコントロールの難しさなどが現れやすくなります。
ガラント反射のような体幹部の反射は、特に脊柱・骨盤・体幹の安定性と深く関係しており、その統合不全は「落ち着きがない」「座っていると身体を揺らす」「腰や背中がこわばる」などの特徴として表れることがあります。
3.ガラント反射の統合不全による影響と対策
■ 身体面での影響
- 腰背部や骨盤帯の緊張が強く、長時間座るのが苦手
- 体幹の左右バランスの不均衡
- 姿勢の崩れ(猫背・反り腰など)
- 歩行時の体幹回旋の非対称
- 感覚過敏(衣類の刺激で落ち着かない、背中の接触を嫌がる)
■ 精神・行動面での影響
- 集中力の持続が難しい
- 落ち着きがなく、座っている時に身体を動かす癖がある
- 睡眠時に寝返りが多い、布団を蹴る
- 情動コントロールの不安定さ
■ 対策とオステオパシー的アプローチ
オステオパシーでは、ガラント反射の統合不全を神経系・体幹構造・呼吸リズムの調和の問題として捉えます。
背部の筋緊張や脊柱の可動性、仙骨や骨盤の動きの制限を丁寧に評価し、神経系の再統合を促すための穏やかな調整を行います。特に、仙骨や腰椎周囲の緊張が軽減されると、体幹の安定性が回復し、原子反射の残存による影響も和らぐことが多いです。
また、家庭でできる補助的アプローチとして、背中をゆっくりなでる・体幹のねじり運動(遊びとして)・呼吸を整える姿勢練習などが有効です。
終わりに.
ガラント反射は、赤ちゃんの時期には大切な役割を果たしますが、成長後に残存していると姿勢や行動、集中力に影響を与えることがあります。
オステオパシーの視点からは、このような反射の統合不全を「神経の働き」と「身体構造のバランス」の両面からとらえ、自然な統合を促すサポートが可能です。
もしお子さんやご自身の身体に思い当たる動きや姿勢のクセがある場合は、一度専門家にご相談されることをおすすめします。
#京都 #京都オステオパシーセンター2F #オステオパシー #整体 #痛み #痺れ #麻痺 #姿勢 #歩き #発達 #原子反射 #ガラント反射
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京都オステオパシーセンター:OQ
〒604-8366 京都府京都市中京区七軒町466
最寄駅:阪急大宮駅 徒歩2分
京都 中京区 めまい、頭痛、産前産後、不妊、
マタニティ整体、呼吸器、子供の発達、
脳卒中後遺症 人工関節、
慢性的な痛み(肩こり・腰痛・変形性膝関節症
変形性股関節症など)
受け付け時間:9時~21時(完全予約制)
坂田:日・祝 休み
大村:土 休み
問い合わせ先
【坂田】
LINE: https://lin.ee/clbSLGg
電話:075-822-3003
【大村】
LINE: https://lin.ee/XnR5zpR
電話:080-3850-1264
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






お電話ありがとうございます、
京都オステオパシーセンターOQでございます。