股関節周囲の靱帯に関する最新解剖学・徒手療法について

股関節の安定性はどこから生まれるのか―靱帯・筋・徒手療法の最新整理

画像引用:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7406151/

 

 

みなさん、こんにちは。京都オステオパシーセンターOQの大村颯太です。Note記事ではオステオパシーや健康に関する情報を定期的に配信しています。本日のテーマは「股関節周囲の靱帯に関する最新解剖学・徒手療法について」で(副院長の大村)が投稿した内容を掲載しています。

今回のNoteでは、股関節まわりの靱帯に注目し、解剖・神経支配・動的安定性・変形性股関節症での変化・徒手療法の考え方までを一つにつないで整理しました。臨床で実際に患者さんへ触れるとき、何を守り、どこに介入するべきかという判断の土台になる内容です。

まず股関節を構造的に支えるのは、腸骨大腿靱帯(ILFL)、坐骨大腿靱帯(ISFL)、恥骨大腿靱帯(PFL)、輪帯(zona orbicularis)、大腿骨頭靱帯(LT)といった靱帯群です。特にILFLはいわゆるY字靱帯として知られ、股関節の前方を強力に補強し、伸展や外旋方向の過剰な動きを制限します。臨床では「硬い壁」のようなイメージで語られることが多い組織です。

ただし、最新の解剖研究ではILFLを単なる“静的ストッパー”としてだけ扱わない視点が示されています。ILFLは小殿筋や腸腰筋の深層腱膜と連続し、いわば靱帯と筋腱が一体化した複合体として、股関節の安定性に寄与するという報告が出ています。これは、姿勢や動作中に筋の張力が関節包に直接伝わることで、股関節を「動きながら守る」しくみがある、という理解につながります。

また、股関節包は複数の神経から痛覚線維・固有受容器の入力を受けています。前方は大腿神経・閉鎖神経、後方は坐骨神経・殿神経など。痛みは、単に軟骨や関節唇からだけでなく、関節包そのものの伸張によっても誘発される可能性があります。つまり「包そのものが痛んでいる」ケースも臨床的には十分あり得るということです。

さらに、変形性股関節症(あるいはその前段階となるインピンジメント)の股関節では、関節包が肥厚しタイトになっていることが画像的に確認されています。特に前上方の包は正常例より厚く、結果として可動域の制限や前方の突っ張り感・痛みにつながる可能性があります。組織の中ではコラーゲンの組成変化や神経線維の増加も報告され、関節包が“ただの袋”ではないことがわかります。

徒手療法の観点についても触れています。いわゆるモビライゼーションやスラストなどの手技は、靱帯・関節包などの結合組織に「微小な破断(マイクロフィッシャー)」や水分再分布(クリープ)を起こし、最終的に組織長や可動性を再設定する可能性があります。これは、単に「ほぐす」ではなく、コラーゲン線維そのものを再編成させる介入だということです。ただし当然、過負荷は炎症や不安定性のリスクも伴います。特にILFLのような安定に不可欠な組織に対しては、その機能的役割を理解したうえで狙いを定める必要があります。

股関節は、強い靱帯で守られた“安定の関節”というだけではなく、筋腱と一体で協調的にコントロールされる“精密な関節”でもある。そのことが最新の解剖・画像・バイオメカニクスの研究で裏付けられつつあります。

続きはNote本文にまとめていますので、股関節痛に悩む方、股関節疾患への徒手介入を検討されている方、そして変形性股関節症の保存療法に携わる方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

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