変形性関節症と膝と股関節の違い

はじめに.

変形性関節症(OA)は、高齢者に多く見られる代表的な関節の疾患です。特に膝関節と股関節は負担が大きく、日常生活への影響も深刻です。しかし、同じ「関節の変形」とはいえ、膝と股関節では発症の背景や進行の仕方、治療への反応にも違いがあります。本記事では、両者の違いについて「先天的・後天的な要因」「外部モーメント(歩行時の特徴)」「アライメント不良」の観点から整理してみましょう。

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1. 先天的か後天的か

膝の変形性関節症は、主に後天的な影響(使いすぎ、体重負荷、筋力低下、姿勢不良など)によって発症することが多いとされています。一方、股関節の変形は先天的な形状の問題、例えば臼蓋形成不全(股関節の受け皿が浅い)などが背景にあることが多く、若いころから静かに進行して中高年になってから症状が現れるケースが少なくありません。


2. 外部モーメント(歩行特徴も踏まえて)

歩行中の関節にはさまざまな外部モーメント(外からかかる回転力)が加わります。膝OAでは、特に前額面(横方向)のモーメントが大きく、関節の内側に負担が集中する「内反モーメント」がしばしば報告されています。この負荷が進行に影響を与えるため、歩行再訓練や外側ウェッジ装具などの生体力学的介入が多く研究されてきました。

一方、股関節OAでは歩行時の前額面・矢状面のモーメントが低下する傾向にあります。これは、痛みを回避するために身体が自然に股関節への負荷を避ける戦略をとっているためと考えられています。そのため、股関節へのモーメントが低くても症状が進行する理由は明確ではなく、介入も限定的です。


3. アライメント不良(関節形状の特徴も踏まえて)

膝関節は、構造的にアライメントの影響を受けやすく、O脚やX脚など前額面のずれがOAのリスク要因になります。関節の形状が単純で、荷重のかかり方が直接変形に影響しやすいため、膝OAではアライメント矯正が治療の中心になりやすいのです。

対して股関節は、球関節で安定性が高く、骨盤や大腿骨の形状に大きく依存しているため、単純なアライメント不良がOAの直接的なリスクにはなりにくいとされています。股関節OAは、アライメントよりも臼蓋の被覆率や脊柱緩衝機能の低下など、より複雑な構造的要因に左右されます。


終わりに.

膝と股関節、どちらも大切な荷重関節ですが、その発症背景や進行要因、治療へのアプローチには少なからず違いがあります。膝は後天的な生活習慣の影響が強く、股関節は先天的な形状や構造の問題が影響することが多いのです。これらの違いを理解した上で、それぞれに合ったケアや施術を行うことが、痛みの改善や進行予防につながります。


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