はじめに
「腕が上がらない」「夜も眠れないほど肩が痛む」
このような症状でお悩みの方に多いのが、五十肩(肩関節周囲炎)です。
自然に治ると言われることもありますが、痛みが長期間続いたり、可動域制限が後遺症として残ったりするケースも少なくありません。
このブログでは、五十肩の原因・病期・整体でできることを解説します。
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1.五十肩の原因
五十肩には大きく分けて2つの発症タイプがあります。
● 特発性(Primary/Idiopathic)
- 明らかな外傷や手術歴がなく、原因不明のタイプ
- 肩関節包の慢性炎症・線維化などが主因と考えられています
- 非利き腕に多く見られる傾向がありますが、詳細なメカニズムは未解明です
全身的なリスク因子
五十肩は肩だけの問題ではなく、全身の慢性疾患との関連も明らかになっています。
以下の疾患を持つ方は、五十肩のリスクが高いとされています。
- 糖尿病(1型・2型)
→ 一般の10〜20%の発症リスク上昇
- 甲状腺機能異常(亢進・低下)
→ 特に高齢女性に多くみられます
- 脳血管障害(脳卒中後の拘縮)
- 循環器疾患(例:冠動脈疾患)
- 自己免疫疾患・膠原病
- デュピュイトラン拘縮
→ 手掌の線維性肥厚を伴う疾患で、併発が多いとされます
2.五十肩の病期
五十肩は自然経過として3つの病期をたどります。病期ごとに適切な対応が必要です。
● 急性期(炎症期)
- 期間:2週間〜数ヶ月
- 特徴:夜間痛や安静時痛が強く、ズキズキとした炎症性の痛みが出ます
● 拘縮期(慢性期)
- 期間:約6ヶ月
- 特徴:痛みは軽減するが、関節が固まって動かない(凍結肩)状態が続く
● 回復期
- 期間:6ヶ月〜1年
- 特徴:徐々に肩の可動域が回復していきますが、個人差があります
※自然治癒もありますが、2〜3年かかるケースや可動域が完全に戻らない場合もあるため、早期の介入が重要です。
3.整体でできること
五十肩に対する整体では、病期ごとに異なる戦略が必要です。
主に以下の3つの観点からアプローチします。
① 構造の調整
- 急性期では肩関節に直接触れず、胸椎・胸郭・骨盤などの動きを整えます
- これにより肩関節の負担を軽減し、炎症の鎮静を早めることが期待されます
- 背骨や肋骨、骨盤の可動性が向上すると、肩の運動に必要な協調運動が回復しやすくなります
② 循環の改善
- 静脈やリンパの流れを良くすることで、炎症性物質の排出や栄養素の供給がスムーズになります
- 特に急性期には、血流やリンパの流れが滞ると、炎症が長引きやすくなるため注意が必要です
③ 自律神経の調整
- 強い痛みによって**交感神経優位(緊張・不眠)**な状態が続くと、組織の修復が遅れ、痛みが慢性化します
- 呼吸・頭蓋・内臓へのアプローチや、副交感神経を高める施術によって回復を促進します
拘縮期以降の対応
- 炎症が落ち着いた拘縮期では、積極的な肩関節のリリースが重要になります
- 小円筋・棘下筋・大円筋・関節上腕靭帯などの癒着や滑走不全を丁寧に調整
- 可動域制限の後遺症を最小限にとどめ、なめらかな動作回復を目指します
再発予防
- 肩関節に負担がかからない姿勢・動作の指導
- 再発を防ぐための体操やセルフケアの提案
- 炎症が起こりにくい体づくりのために、食生活の見直しも重要です
終わりに
五十肩は「そのうち治る」と軽視されがちですが、早期に適切な対処を行うことで回復を早め、後遺症を防ぐことが可能です。
整体では、肩だけにとらわれず、全身の構造・循環・神経機能を総合的に整えることによって、自然な治癒力を最大限に引き出します。
肩の痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
再発予防までを視野に入れたサポートを行ってまいります。
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