股関節と膝、二つの痛みをどう考えるか|京都のオステオパシーの臨床から

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二つの診断名があっても、身体は一人のもの

変形性股関節症と変形性膝関節症。診断名を並べると、二つの問題を別々に扱うように見えるかもしれません。

でも、実際に施術でお会いするのは、一人の方です。股関節も膝も痛い中で、階段を使い、日々の生活を送られています。私は、それぞれの関節の状態と、その方の身体全体の状態を行き来しながら考えるようにしています。

今回ご紹介する60代の女性からは、施術後に階段の上り下りが楽になっている、というお声をいただきました。

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その変化の背景として、私が何を見て、どのように施術の優先順位を考えていたのか。今回はその部分をお伝えしたいと思います。

同じようなお悩みがある方へ

変形性股関節症・変形性膝関節症の症状は、痛みが出ている場所だけでなく、姿勢・呼吸・歩き方・これまでの身体の使い方が関係していることもあります。

「自分の場合はどこを見たらよいのか知りたい」という方は、LINEからお気軽にご相談ください。

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以前の膝のけがを、現在の状態と合わせて見る

股関節と膝、二つの痛みをどう考えるか|京都のオステオパシーの臨床から|院内の様子

この方は、ずいぶん前に半月板の損傷で膝の手術を受けられていました。現在は股関節にも変形があり、膝と股関節の両方に症状を抱えている状態です。

過去の外傷や手術の経過は、今の状態を考える材料になります。ただ、手術歴だけで痛みの原因を決めつけることはできません。

今回は、過去の外傷に関連した制限が残っている可能性も考え、膝そのものへのアプローチを検討しました。同時に、股関節や骨盤、脊柱、足首の状態も確認しています。

局所を見ることと、全体を見ること。どちらも必要だったケースだと感じています。

優先順位は、痛む場所だけでは決めません

複数の症状があるとき、すべてを同じ比重で追いかけると、何が変わり、何がまだ課題なのかが見えにくくなることがあります。

そこで考えたいのが、今の身体でどこに変化が見込めそうか、その変化が生活の負担を減らすことにつながりそうか、ということです。

この方では、膝の症状を落ち着かせることを一つの目安にしつつ、股関節の経過も見ていく方針で進めました。膝の症状が変わったとき、階段などの日常動作がどう変わるかも確認していきます。

これは、股関節より膝を優先するという一般的な決まりではありません。その方の既往歴や現在の状態、施術に対する反応をもとに、その都度考えることです。

全身を見ることは、毎回同じ施術をすることではない

施術では、脊柱や骨盤、膝、足首など、身体全体の状態を確認しながら、毎回取り組む場所を調整しました。

「全身を見ます」という説明は、少し抽象的なんですよね。私が今回意識していたのは、股関節の状態、膝に残っている問題、そしてその両方を含む身体全体の状態を、切り離しすぎずに考えることでした。

膝そのものに取り組む必要があれば、そこも施術します。ただ、それだけで判断を終えず、他の部位の状態も確認します。逆に、全体へのアプローチをしているからといって、膝や股関節の症状の経過を曖昧にしない。両方を見ていく、という感覚です。

膝の変化が見られても、股関節の課題は残っています

経過の中で、まず膝の症状が落ち着き、階段の上り下りが楽になったとのことでした。その一方で、股関節には引き続き取り組んでいます。

一つの変化が出たからといって、身体の問題がすべて解決したとは考えていません。良くなったところを確認し、まだ残っている課題も見て、次の施術を考えます。

今回の経過は、一人の方に見られた反応です。施術だけの効果を切り分けられるものではありませんし、同じ診断名の方に同じ結果を約束できるものでもありません。また、症状や動作の変化と、関節の変形そのものの改善は区別して考えています。

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身体全体を見ながら、生活に近い変化を追う

このケースから私が学んだのは、局所と全体のどちらかを選ぶのではなく、その両方を見ながら優先順位を調整することでした。

股関節も膝も痛い方にとっては、診断名がどうなるかだけでなく、階段を使うときの負担が少し減ることも、生活に近い変化です。そうした変化を見逃さず、残る課題と合わせて考えていきたいと思います。

京都オステオパシーセンターOQでは、複数の部位に症状がある場合も、これまでの経過と身体全体の状態を伺ったうえで、施術で対応できる範囲を判断しています。

医療機関での評価が必要な場合は、その確認を優先します。整形外科での治療と対立するものではなく、今受けている診療や提案されている治療も含めて、お話をお聞かせください。


よくある質問

変形性膝関節症でも、膝以外を見ることはありますか?

あります。膝の曲げ伸ばしには、股関節、足首、骨盤、背骨、呼吸や循環の状態が関係することがあります。膝だけでなく、負担が集まりやすくなっている背景も合わせて確認します。

正座ができない場合、無理に曲げる練習をした方がいいですか?

腫れや熱感がある時に無理に曲げると、かえって反応が強くなることがあります。まずは膝が伸びにくいのか、曲がりにくいのか、体重をかけた時に痛むのかを分けて確認することが大切です。

強く押したり、無理に動かしたりする施術ですか?

基本的には、身体の反応を見ながら無理のない範囲で進めます。長く痛みが続いている膝は防御反応が出やすいこともあるため、強さよりも、どの組織が動きにくくなっているかを丁寧に見ていきます。

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この記事を書いた人

大村颯太
・理学療法士
・健康科学修士
・発達ケア・アドバイザー上級

Sota Omura
・Physiotherapist
・Master of Health Science
・JEFPA Certified Foot Care Advisor
・Developmental Care Advisor

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