人工股関節を入れた後も痛むのはなぜ?術後の時間と、体全体の回復を考える|京都のオステオパシー

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関節を置き換えることと、動きが回復することの間にあるもの

人工股関節の手術で、傷んだ関節を置き換える。その後、少しずつ歩けるようになっていく。

言葉にすると一続きの出来事ですが、関節の状態と、筋肉が働くこと、歩くこと、痛みが落ち着くことは、それぞれ同じ速さで進むわけではありません。

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私は以前、人工関節専門病棟で理学療法士として活動していました。以下の口コミは、病院勤務時代に、担当していた方が、術後数年後に当院へ足を運んでくれたときに記載いただいた内容です。

同じようなお悩みがある方へ

人工股関節・変形性股関節症の症状は、痛みが出ている場所だけでなく、姿勢・呼吸・歩き方・これまでの身体の使い方が関係していることもあります。

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術直後の痛みは、術前の関節痛とは分けて考えます

手術前からの痛みには、関節内の問題に加えて、周囲の組織や腰などが関わる場合があります。手術後には、そこに手術で影響を受けた組織の痛みが加わります。

術直後から2週間ほどは、傷の周囲が痛む、動くと響く、脚が腫れて張るといった症状が出る時期です。骨や軟部組織の処置に伴う炎症と回復の過程を考え、主治医の方針に沿って痛みを管理します。手術が無事に終わったことと、組織の回復が完了したことは別なんですね。[1][2]

1か月から3か月は、痛みの強さだけでなく変化の方向を見る

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術後1か月は、まだ回復の途中です。傷のつっぱりや動作時の痛みが残っていても、以前より歩く距離が伸びた、立ち上がりが楽になったという変化があるかもしれません。

その一方で、活動を増やした後の痛みが続くなら、今の回復状態に対して負荷が多すぎないかを確認する必要があります。体の状態に合わせたリハビリが基本になります。[1]

3か月前後は痛みがかなり落ち着いてくる目安ですが、全員に共通する締め切りではありません。改善が乏しい場合は、痛む場所、動作との関係、しびれの有無などから、原因を整理し直します。

腸腰筋の腱と人工関節周囲の接触、股関節の外側の腱や大転子周囲の問題、腰からの関連痛などが候補になります。感染やゆるみなどの確認も含めて、まず整形外科での評価が必要です。[1][2]

半年、1年と続く痛みを、炎症だけで説明しない

半年から1年が経っても生活に支障がある、一度よくなってから痛みが戻った。こうした場合は、以前の診察で問題がなかったとしても、あらためて手術を受けた医療機関に相談してよいと思います。

一方、歩行機能は術後も回復を続けます。Bahlらのレビューでは、術後の歩行は術前に比べて改善するものの、12か月時点でも健常者と比べて歩行速度や歩幅、股関節の動きに差が残っていました。人工関節を入れることと、歩行が十分に回復することは、同じではないということです。[4]

「股関節が変わった後、体はどう使われているか」という視点

長い間、股関節をかばっていた方なら、その動き方が術後にも残っている可能性があります。腰の痛みがあれば、腰そのものに原因があるのか、歩くときの負担が関わるのかも分けて考えたいところです。

私が見ていきたいのは、股関節の可動域だけではありません。片脚に体重をかけるとき、骨盤や腰がどう動くか。歩くときに体を固めていないか。こうした日常動作の中のつながりです。

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受診が必要な変化を先に確認し、その先のケアへ

京都オステオパシーセンターでは、人工股関節の術後の方のケアも行っています。主治医からの注意事項やリハビリの内容を踏まえて、今の動きや生活上の困りごとを確認します。

手術の経過は順調と言われているけれど、歩き方や違和感が気になる。そのようなときに、体全体の動きを見直す場としてお役に立てればと思っています。

参考文献・参考資料

Bahl, J. S., Nelson, M. J., Taylor, M., Solomon, L. B., Arnold, J. B., & Thewlis, D. (2018). Biomechanical changes and recovery of gait function after total hip arthroplasty for osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis. Osteoarthritis and Cartilage, 26(7), 847–863. https://doi.org/10.1016/j.joca.2018.02.897

Hulin, K., Fearon, A., & Newman, P. (2025). What are the diagnoses attributed to persistent hip pain after hip arthroplasty? A systematic review. Journal of Clinical Orthopaedics and Trauma, 67, Article 103036. https://doi.org/10.1016/j.jcot.2025.103036

Johns Hopkins Medicine. (2026, March 20). Hip replacement recovery: Q&A with a hip specialist. https://www.hopkinsmedicine.org/health/expert-qa/hip-replacement-recovery

NHS. (n.d.). Complications of a hip replacement. https://www.nhs.uk/tests-and-treatments/hip-replacement/complications-of-a-hip-replacement/

American Academy of Orthopaedic Surgeons. (n.d.). Infection after joint replacement. https://www.orthoinfo.org/diseases–conditions/joint-replacement-infection


よくある質問

股関節の痛みでも、骨盤や背骨を見ることはありますか?

あります。股関節は骨盤や腰、膝、足首との関係の中で働いています。歩き方や体重のかかり方も含めて確認します。

人工関節の手術後でも相談できますか?

手術後の時期や医師からの指示によります。無理に関節を動かすのではなく、周囲の組織や身体全体の使い方を確認しながら進めることがあります。

歩く時の違和感も見てもらえますか?

はい。股関節だけでなく、骨盤、膝、足首、体幹の動きも含めて、どこに負担が集まっているかを確認します。

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この記事を書いた人

大村颯太
・理学療法士
・健康科学修士
・発達ケア・アドバイザー上級

Sota Omura
・Physiotherapist
・Master of Health Science
・JEFPA Certified Foot Care Advisor
・Developmental Care Advisor

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