ご自身でもケアを続けていた理学療法士の方に、肩甲骨まわりの違和感と、五十肩後の右肩の動かしにくさについてご相談いただきました。
今回は、症状を感じる場所だけでなく、首・背中と肩そのものを分けて評価し、その都度反応を確かめながらアプローチした一例をご紹介します。理学療法士・健康科学修士・発達ケア・アドバイザーの大村颯太がお伝えします。
※今回ご紹介するのは、1回の施術直後に確認した変化です。変化には個人差があり、同じ結果をお約束するものではありません。
自分でケアを続けても残っていた、肩甲骨まわりの違和感と右肩の動かしにくさ
今回ご紹介するのは、理学療法士として働いている方のケースです。
10年以上前に交通事故で首を痛めた経験があり、その後も右の肩甲骨まわりにしびれや違和感が残っているとのことでした。また、右肩には五十肩を経験した後の動かしにくさがあり、手を背中に回す動作がしづらいとお話しされていました。
ご自身でも身体の状態を考えながら、菱形筋や肩甲挙筋、斜角筋などへのケアを続けてこられたそうです。ある程度は楽になるものの、症状が取り切れない。他の施術を受けても、気になる状態が残っているというご相談でした。
身体について知識がある方でも、ご自身の身体となると、見えにくいところはあります。今回は、ご本人が感じていることを伺いながら、どの動きで症状が出るのか、一つずつ確かめていきました。
気になる場所に、強い硬さがあるわけではなかった
まず首の動きを確認すると、横に倒す動きや振り向く動きでは、気になる症状は誘発されませんでした。
一方、首を反らし、圧迫が加わる条件では、右肩甲骨まわりのいつものしびれが誘発されました。
肩の動きにも左右差がありました。腕を45°横に開いた位置で内側へ回す動きを測ると、左は80°、右は45°。背中に手を回す動作にも制限がありました。
ここで印象的だったのは、しびれを感じている右肩甲骨内側の組織が、触れてみると十分に柔らかかったことです。むしろ、反対側の方が硬く感じられるほどでした。
ご自身でケアを続けてきた影響もあるのかもしれません。ただ、その点は推測です。
少なくとも、この時の評価では、「気になる場所が硬いから、そこをさらに緩める」という進め方だけでは、捉えきれない部分があると考えました。
首・背中へのアプローチと、残った肩の制限
さらに確認すると、胸椎周辺や頭蓋・脊柱の膜組織に、触診上の緊張や動きにくさが感じられました。
まずはそれらの部位に穏やかにアプローチし、腰部から胸部、頸部へと、脊柱の動きや位置関係を確認しました。第7頸椎周辺も、その一つです。
その後、最初にしびれが出た首の動きを再確認すると、その場では同じ症状が誘発されなくなっていることを、ご本人と一緒に確かめられました。
肩の内旋にも変化が見られましたが、まだ動きの制限は残っていました。
そこで、棘下筋や小円筋の滑走・動きにくさに着目し、筋の走行に沿ったアプローチと、肩関節のモビライゼーションを追加しました。
私としては、このケースでは、首・背中などの状態を確認することと、肩そのものに残っている制限を丁寧にみること、その両方が必要だったと感じています。
右肩の内旋は45°から70°へ
最終的に、45°外転位での右肩の内旋は、施術前の45°から70°へ変化しました。
背中へ手を回す動作でも変化が見られ、ご本人も動きの違いを喜んでおられました。
今回は1回の施術直後に確認できた変化です。その後どの程度続いたかは確認できていないため、長年の問題が解消したと言い切ることはできません。
それでも、ご自身でケアを続けても残っていた症状に対し、別の場所や動きにも目を向けることで、変化を確かめられた一例でした。
症状のある場所と、評価する場所は同じとは限らない
今回、改めて大切だと感じたのは、症状を感じる場所だけで判断しないことです。
ただ、全身をみればよいというだけでもありません。首・背中へのアプローチ後に何が変わり、肩に何が残っているのか。その都度確認して、次に行うことを考える必要があります。
五十肩を経験した後の動かしにくさや、交通事故後から続く首・肩まわりの不調でお困りの場合は、これまでの経過も含めてお聞かせください。今の状態を一緒に確認するところから始めたいと思います。
ご相談は、こちらのLINEからお送りいただけます。

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