朝、顔を洗おうとした瞬間に。重い荷物を持ち上げた拍子に。ぎっくり腰は突然やってきて、動けなくなるほどの痛みを引き起こします。「どうすればいいの」とパニックになる方も多いでしょう。今回は、ぎっくり腰になったときに、まず何をすればいいのかを、理学療法士の視点で整理します。
突然動けなくなった——まず落ち着いて
激しい痛みに襲われると、不安になります。でも、ぎっくり腰の多くは、筋肉や関節が一時的に炎症を起こした状態で、時間とともに落ち着いていくことがほとんどです。まずは深呼吸をして、いちばん楽な姿勢を探しましょう。横向きで膝を軽く曲げる姿勢が楽なことが多いです。
最初の48時間にやること・やってはいけないこと
やること:楽な姿勢で休む。痛みが強い最初のうちは無理をしない。少し動けるようになったら、痛くない範囲で体を動かし始める。
避けたいこと:痛いのを我慢して無理に動く。逆に、痛みが怖くて何日も寝込んでしまう。強く揉んだり、自己流で腰をひねったりする。
冷やす?温める?の正しい理解
「ぎっくり腰は冷やすの?温めるの?」とよく聞かれます。目安として、急な強い痛みと炎症がある最初の数日は、冷やすほうが楽なことが多いです。痛みのピークが過ぎて、こわばりが中心になってきたら、温めて血行を促すのがよいでしょう。ただし、どちらが楽かは人によるので、気持ちよいと感じるほうを選んでかまいません。
安静にしすぎない(現代の考え方)
かつては「ぎっくり腰は安静第一」と言われました。でも今は、痛みが強い時期を過ぎたら、少しずつ動いたほうが回復が早いと考えられています。長く寝込むと、かえって筋力が落ち、こわばりが強くなります。痛くない範囲で、日常の動きを少しずつ戻していきましょう。
いつオステオパシーが役立つか
ぎっくり腰直後:まずは急性の痛みにより全身が過剰に緊張している場合、身体を一旦落ち着かせるために、徒手的に調整をかけていきます。また、あきらかな腰部の歪みや修正を要する場合は局所的・応急処置的に腰の調整を行うこともあります。
ぎっくり腰から数日後:急激な痛みが少し落ち着いた段階でも身体には大きな負担が残っていることが多いです。身体の状態が自然に回復しやすい状態へ身体全身の構造を整え、滞りのない身体へ調整していきます。
ぎっくり腰から2週後以降:再発予防を含めた調整や日常の生活指導も含めて対応させていただきます。
受診の目安
次のような症状があるときは、ぎっくり腰ではない可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。
- 足のしびれや力の入りにくさがある
- 尿や便が出にくい・漏れる
- 安静にしていても激しく痛む、夜間に痛みが強まる
- 発熱をともなう
これらは神経や内臓の問題のサインかもしれません。OQは医療機関の代わりではなく、それを補うものとして関わります。
執筆:大村颯太(京都オステオパシーセンターOQ 副院長・2階担当)
専門:脳卒中後の自費リハビリ/下肢症状(股関節・膝)/腰痛/歩行分析/インソール

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