山登りのあとから膝や太ももの前の突っ張りが続き、歩くたびに違和感が気になる30代女性のケースを紹介します。
京都・中京区の京都オステオパシーセンターOQ 2Fでは、膝だけでなく足裏の荷重や全身の姿勢・歩き方のクセから原因を評価し、症状の改善を目指します。
理学療法士・健康科学修士・発達ケア・アドバイザーの大村颯太が、今回のケースで見られた「後ろ重心の歩き方」という思い込みと、体の緊張をゆるめる具体的なセルフケアについてご説明します。
本記事では、膝の痛みや太ももの張りを長引かせないための、身体の使い方の気づき方をご紹介します。
山登り後に続く膝と太もも前の張り——歩き方の思い込みを見直した30代女性のケース

山登りのあとから、膝や太ももの前の突っ張りがなかなか取れない。今回のケースは、30代女性で、そういった状態が半年ほど続いていた方です。
日常生活に大きな支障が出るほどではない。でも、歩くと太ももの前が張る。膝が気になる。山登りや運動を楽しもうとしても、どこかで身体のことが頭に残る。
こういう不調は、本人にとっては意外とストレスになります。痛みの強さだけでは測れないんですよね。
「後ろ重心が良い歩き方」という意識
お話を聞いていくと、その方は以前に歩き方を学ばれていて、「後ろに重心をかけて歩くのが良い歩き方」というイメージを持っておられました。
それ自体が悪いわけではありません。人によっては、後方へ体重を感じることで安定する場合もあります。
ただ、今回のように膝の痛みや太ももの前の張りがある方では、後方重心を意識しすぎることで、体の前面の筋肉が余計に働きやすくなることがあります。特に「きれいに歩こう」として、身体全体を反らせ、背中や腰を固めてしまう場合です。
姿勢を良くしているつもりが、結果的に太ももの前に力を入れ続ける形になっていたのかもしれません。
足裏の荷重と姿勢の偏り
足裏の荷重を確認すると、左足に体重が乗りやすく、右足にはあまり体重がかかっていない状態でした。
さらに、左膝にも症状がありました。左右均等に体重を乗せられていないことが、膝や太ももの前の突っ張りと関係している可能性があります。
姿勢を見ても、骨盤や背骨に左右差がありました。上半身の問題が足へ連鎖していくこともあります。腰椎が反り、骨盤が前傾し、大腿骨や脛骨が内側へ入りやすくなる。そうすると、膝まわりや太ももの前に負担が集まりやすくなります。
膝が気になるからといって、膝だけを見ればよいわけではない。今回も、そのことを改めて感じるケースでした。
最初に行ったのは「固定観念を外す」こと
今回は初回だったので、まず歩き方の指導をしました。
大事にしたのは、「後ろに重心を乗せなければいけない」という固定観念を少し外すこと。そして、きれいに歩こうとして身体を反らせるクセをゆるめることです。
具体的には、あえて背骨を少し丸めるような歩き方をしてもらいました。背中の緊張を抜いて、骨盤を少し後傾させる。その中で何回か歩いてみると、「意外と自分は反っていたんですね」という気づきが出てきました。
ここは結構大事です。
身体の使い方は、自分の感覚と実際の動きがずれていることがあります。まっすぐ歩いているつもりでも、足が外へねじれていたり、片側に体重が偏っていたりすることは少なくありません。
足踏みで“まっすぐ使う感覚”を作る
今回は、90度足踏みのような動きも行ってもらいました。
その中で、足を上げるときに外側へねじれたり、片側へ身体が下がったりするような印象がありました。自分ではまっすぐ動かしているつもりでも、実際には意外とまっすぐ使えていないことがあります。
セルフケアとしては、毎朝、足踏みを20回。
すごくシンプルです。でも初回の段階では、難しい運動を増やすより、「自分の身体がどう動いているかに気づく」ほうが大切なことがあります。
力を入れて正そうとしすぎず、左右差を感じる。背中を固めず、足が自然に上がる感覚を探す。まずはそのくらいからで十分です。
OQでご相談いただきたい方へ
膝や太ももの前の突っ張りは、筋肉の硬さだけで説明できないことがあります。
重心の位置、体の緊張、骨盤や背骨の歪み、そして「良い歩き方」に対する思い込み。こういったものを順番に見直していくことで、症状が落ち着いていくケースがあります。
山登りや運動のあとから膝・太ももの前の違和感が続いている方は、一度、身体全体の使い方を確認してみてください。
OQでは、膝だけではなく、足裏の荷重・姿勢・歩き方・体幹の使い方を含めて評価し、その方に合った施術とセルフケアをご提案しています。

参考文献
Fransen, M., McConnell, S., Harmer, A. R., Van der Esch, M., Simic, M., & Bennell, K. L. (2015). Exercise for osteoarthritis of the knee: A Cochrane systematic review. British Journal of Sports Medicine, 49(24), 1554–1557. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25716116/
Neumann, D. A. (2010). Kinesiology of the hip: A focus on muscular actions. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 40(2), 82–94. https://doi.org/10.2519/jospt.2010.3025
よくあるご質問
Q. 山登りの後に膝や太ももの前が張るのですが、どのような原因が考えられますか?
A. 筋肉の疲労だけでなく、歩き方のクセや重心の偏りが関わることがあります。特に「後ろに重心を乗せて歩く」などの意識が強いと、体の前面の筋肉に負担がかかりやすくなります。京都オステオパシーセンターOQ 2Fでは、足裏の荷重や姿勢を含めて全身の状態を確認しながら評価します。
Q. 膝や太ももの前の張りには、どのような施術が効果的ですか?
A. まずは歩き方の指導から行い、自身の身体の動かし方への気づきを促します。その上で骨盤や背骨の歪み、足裏の重心のバランスを整えるアプローチを行います。痛みのある部分だけに注目せず、全身のつながりを考慮することが重要です。
Q. 「良い歩き方をしなければ」と思いすぎるのも良くないのでしょうか?
A. きれいに歩こうとして腰や背中を反らしすぎると、太ももの前の筋肉に力が入り続けることがあります。背中の緊張をゆるめ、骨盤を少し後傾させるような歩き方を意識することで、負担を軽減できる場合があります。
Q. 自宅でできるセルフケアはありますか?
A. 毎朝、20回程度の足踏みを行うことをおすすめしています。足を上げる際、左右差がでないかを意識し、背中を固めずに自然に上げることを心がけてください。難しい運動を増やすよりも、ご自身の身体の動きに気づくことが大切です。
Q. 初回のご相談では何を持参すればよいですか?特に予約は必要ですか?
A. 特に持参いただくものはありません。予約は、まずはLINEでのご連絡がスムーズです。次にWEB予約、ご希望によってはお電話でも承ります。京都オステオパシーセンターOQ 2Fまでお気軽にご相談ください。

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