子どもの絶壁と頭の形に向き合う

子どもの絶壁と頭の形に向き合う|大村執筆ブログ

赤ちゃんや小さなお子さんの後頭部が平らで、いわゆる「絶壁」や左右差が気になっていませんか?

京都・中京区の京都オステオパシーセンターOQ 2Fでは、頭の形に関する不安に対して、丁寧な評価と身体全体の状態を確認するアプローチを行っています。

理学療法士・健康科学修士・発達ケア・アドバイザーの大村颯太が、お子さんの姿勢・発達・日々のケアに関する具体的な視点をご提供しています。

本記事では、頭の変形の種類、研究で分かっていること、ご家庭でできる安全なセルフチェックの方法をお伝えします。

目次

子どもの絶壁と小児オステオパシー|京都・中京区のオステオパシー

京都オステオパシーセンター2F 大村颯太

頭の形を「治す」と言い切る前に、まず丁寧に見たいこと

赤ちゃんや小さなお子さんの頭の形について、親御さんから相談を受けることがあります。

「後頭部が平らに見える」
「左右差がある気がする」
「家族にも同じような頭の形がある」
「これは成長で自然に変わるのか、それとも何かした方がいいのか」

こういう不安は、実際に子どもを育てているご家族にとって、とても現実的なものだと思います。

私(大村)自身は2026年現在、オステオパシーの臨床経験は4年目です。これまでは成人や高齢者、小学生のお子さんを中心に見てきましたが、今後は乳幼児を含めた子どものオステオパシーにも積極的に関わっていきたいと考えています。

一昨年にはPaolo Tozzi先生の小児オステオパシーセミナーに参加し、今年は他の小児オステオパシーセミナーにも参加予定です。まだまだ学びの途中です。だからこそ、現時点で分かっていることと、分からないことを整理して書きたいと思います。

もし以下のようなことが気になっている方は、この記事が少し参考になるかもしれません。

お子さんの後頭部が平らで、いわゆる絶壁が気になっている
頭の形が寝方の影響なのか、遺伝なのか分からず不安がある
オステオパシーで子どもの頭の形に何ができるのか知りたい
強い施術ではなく、やさしく身体を見てもらえる場所を探している
まずは治療よりも、子どもの身体の状態をチェックしてほしい

8月から10月までは、当院(担当:大村)をご利用いただいたことがあるご家族様に限定して、0歳から8歳までのお子さんの無料体チェックを行っています。まずは「今の身体の状態を一緒に確認する」機会になればと思っています。

短頭症・斜頭症には位置性のものと縫合性のものがある

いわゆる「絶壁」は、後頭部が平らになり、頭の前後の長さが短く見える状態を指して使われることが多い言葉です。医学的には短頭症、英語では brachycephaly と呼ばれる状態に近いことがあります。

頭の形の変化を考えるときには、まず大きく2つに分けて考える必要があります。

ひとつは、位置性・変形性の頭蓋変形です。これは、赤ちゃんの柔らかい頭に対して、胎内での姿勢、出生時の圧、吸引分娩、仰向けで寝る時間、バウンサーやチャイルドシート、向きぐせ、寝返りのしにくさなどが関係して起こると考えられています。

もうひとつは、頭蓋縫合早期癒合症に関係するものです。頭蓋骨の縫合が本来より早く閉じてしまうことで、頭の成長方向が制限されます。短頭症の場合、両側の冠状縫合が早く閉じることで、頭の前後方向への成長が制限されるタイプがあります。

この2つは、見た目だけでは分かりにくいこともあります。

位置性の変形であれば、身体の使い方や日常の姿勢、首の動きにくさなどに介入する余地があるかもしれません。一方で、縫合早期癒合症が疑われる場合は、オステオパシーで様子を見るのではなく、まず医療機関での評価が必要です。

たとえば、頭囲の成長曲線から大きく外れている、大泉門が強く膨らんでいる、縫合部が硬く盛り上がっている、顔や眼の周りの形に明らかな左右差がある、発達や神経症状が気になる。このような場合は、小児科や形成外科、脳神経外科などで確認することが大切です。

オステオパシーでできることを考える前に、まず安全に見てよい状態かどうかを確認する。ここはとても大切だと思っています。

頭の形に対するオステオパシーの研究と、まだ分からない部分

位置性斜頭症や短頭症に対して、オステオパシーや手による介入が良い影響を与える可能性を示した研究はいくつかあります。

Panzaらの研究では、位置性斜頭症の乳児424名に対し、生後数か月以内に5回のオステオパシー治療を行い、頭蓋非対称性が有意に減少したと報告されています(Panza et al., 2024)。

また、Pastor-Ponsらのランダム化比較試験では、保護者への教育プログラムに小児統合的マニュアルセラピーを加えた群で、頭蓋非対称性の指標や保護者の実感がより改善したとされています(Pastor-Pons et al., 2021)。

一方で、これらの結果をそのまま「オステオパシーで絶壁が治る」と表現するのは、私は少し慎重であるべきだと思っています。

研究数はまだ十分ではありません。介入方法も、評価方法も、対象となる月齢や重症度もさまざまです。オステオパシー単独の効果なのか、保護者への指導や自然経過、成長、生活環境の変化がどれくらい関係しているのかも、丁寧に見なければいけません。

また、位置性頭蓋変形に対しては、理学療法、体位指導、タミータイム、ヘルメット療法など、いくつかの保存的アプローチがあります。すべてを手技だけで考える必要はありません。

私自身は、セミナーや臨床の中で、手による介入で頭の形や身体の緊張が変わる場面を見たことがあります。実際に、位置性斜頭症のように外力や向きぐせが関係しているケースでは、変化の余地があるのではないかと感じています。

ただ、遺伝的な骨格傾向が強い場合や、家族性の頭の形、縫合の問題が関係している場合は、手による介入でできることには限界があるはずです。外から頭の形を変えることに、どこまで意味があるのか。そこは私自身も、これから学びながら考え続けたいところです。

ご自宅でできる頭の形と身体のセルフチェック

お子さんの頭の形が気になるとき、頭だけを見て不安になるよりも、日常の中で「同じ場所に圧がかかり続けていないか」を見てあげることが大切です。

たとえば、いつも同じ方向を向いて寝ているか。反対側を向くと嫌がるか。うつ伏せのときに頭を上げにくそうか。抱っこしたときに身体が反りやすいか。寝返りや体幹の使い方に左右差があるか。こういったところに、頭の形と関係するヒントが隠れていることがあります。

起きている時間に、保護者が見守りながらうつ伏せで過ごすタミータイムを少しずつ取り入れることもあります。これはうつ伏せ寝ではなく、あくまで起きている時間の発達遊びです。後頭部への圧を減らし、首や背中、肩まわりを使う経験を増やす意味があります。

また、抱っこの方向を左右で変える、声をかける方向を固定しない、バウンサーやチャイルドシートに長時間固定しすぎない、授乳や遊びの向きを偏らせすぎない。こういった小さな工夫も大切です。

ただし、無理に反対側を向かせたり、嫌がるうつ伏せを長く続けたりする必要はありません。嫌がる背景には、首や胸郭、骨盤などの動きにくさがあることもあります。

ただし、2週間ほど続けても変化が乏しい場合や、痛み・しびれが強くなる場合、ご自身で続けることに不安がある場合は、無理に続けず専門家にご相談ください。背景に別の問題が隠れていることもあり、適切な評価のうえで方針を組み直したほうが回復が早いケースもあります。

2週間ほど続けても変化が乏しい場合や、痛み・しびれが強くなる場合は、無理に続けず一度ご相談ください。LINEでお気軽にご相談いただけます。

小児オステオパシーを学びながら、地域の子どもたちに関わっていきたい

今回の2歳の男の子は、1年前にも一度見させていただいたことがありました。今回で私が見たのは2回目です。

1年前と比べると、左右差は少しマシになっているように感じました。ただ、お母さんにも短頭の傾向があり、おばあさまにも同じような頭の形があるとのことでした。

その話を聞いて、位置性の問題だけではなく、遺伝的な骨格傾向も関係しているのかもしれないと感じました。そうなると、手による介入でできることには限界があります。

でも、もしもっと早い時期から継続的に関われていたら、首の動き、寝返り、後頭部への圧のかかり方、身体全体の使い方に対して、何かしらサポートできた可能性もあったかもしれません。そこは分からない部分もあります。

今回の経験は、私にとってとても勉強になりました。

今後、私は小児オステオパシーをさらに学んでいきたいと思っています。まだ道半ばです。けれど、日本の子どもたちが一人でも多く、必要なときにオステオパシーを受けられるようになればいいなと感じています。

当院をご利用中の方で、ご家族様、お孫さん、お子さんの頭の形や身体の状態が気になる方は、LINEなどでご相談ください。8月から10月までは、ご利用いただいたことがあるご家族様に限定して、0歳から8歳までのお子さんの無料体チェックを行っています(担当:大村)。

地域の子どもたちが集まる場でも、今後こうした体チェックの活動ができたらと思っています。小さな一歩ですが、子どもたちがより健康に育っていく社会に、少しでも貢献できるように。焦らず、誠実に、学び続けていきます。

京都オステオパシーセンター2F 大村颯太

参考文献

  • Flannery, A. M., Tamber, M. S., Mazzola, C., Klimo, P., Baird, L. C., Tyagi, R., & Bauer, D. F. (2016). Congress of Neurological Surgeons systematic review and evidence-based guideline for the management of patients with positional plagiocephaly: The role of physical therapy. Neurosurgery, 79(5), E630–E631. https://doi.org/10.1227/NEU.0000000000001429
  • Jung, B. K., & Yun, I. S. (2020). Diagnosis and treatment of positional plagiocephaly. Archives of Craniofacial Surgery, 21(2), 80–86. https://doi.org/10.7181/acfs.2020.00059
  • Kelly, K. M., Joganic, E. F., Beals, S. P., Riggs, J. A., McGuire, M. K., & Littlefield, T. R. (2018). Helmet treatment of infants with deformational brachycephaly. Global Pediatric Health, 5, 2333794X18805618. https://doi.org/10.1177/2333794X18805618
  • Panza, R., Cardini, M., Cerritelli, F., et al. (2024). Positional plagiocephaly: Results of the osteopathic treatment of 424 infants. An observational retrospective cohort study. Healthcare, 12(16), 1607. https://doi.org/10.3390/healthcare12161607
  • Pastor-Pons, I., Hidalgo-García, C., Lucha-López, M. O., Barrau-Lalmolda, M., Rodes-Pastor, I., Rodríguez-Fernández, Á. L., & Tricás-Moreno, J. M. (2021). Efficacy of pediatric integrative manual therapy in positional plagiocephaly: A randomized controlled trial. Italian Journal of Pediatrics, 47, 132. https://doi.org/10.1186/s13052-021-01073-4
  • Petracca, M., Pecchioli, C., Tomasello, L., et al. (2021). Effects of osteopathic approach in infants with deformational plagiocephaly: An outcome research study. Journal of Physical Medicine and Rehabilitation. https://doi.org/10.23736/S2724-5276.21.06588-5

よくあるご質問

Q. 子どもの頭の形(絶壁・斜頭)はオステオパシーで本当に改善しますか?

A. 研究では、位置性の頭蓋変形に対してオステオパシー治療が頭の非対称性の指標を改善したという報告があります。ただし、遺伝的な骨格傾向や縫合早期癒合症など、手技でできることに限界があるケースもあります。当院ではまず丁寧な評価を行い、適切な対応方針をご提案します。

Q. 頭の形を診てもらう際、どのような流れになりますか?

A. まずはお子さんの頭の形の観察に加えて、首の動き、寝返りや体幹の使い方、姿勢の癖など、身体全体の状態を確認します。気になる点やご不安な点を伺いながら、必要なアドバイスや施術方針をご説明します。医療機関での確認が必要と思われる場合は、その旨もお伝えします。

Q. 0歳の赤ちゃんですが、施術を受けるのは安全ですか?

A. オステオパシーは赤ちゃんに対して非常にソフトな手技を用いるため、安全性の高いアプローチです。当院では、強い力を加えることは一切なく、お子さんの反応を丁寧に確認しながら進めます。ただし、発熱や機嫌が悪い時などは無理せず、状態を見てご相談ください。

Q. 無料体チェックの対象と予約方法を教えてください。

A. 8月から10月まで、当院(担当:大村)をご利用いただいたことがあるご家族様限定で、0歳から8歳までのお子さんの無料体チェックを行っています。ご予約・ご相談はLINEが最もスムーズです。お気軽にメッセージをお送りください。その後、WEB予約やお電話でも承ります。

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この記事を書いた人

大村颯太
・理学療法士
・健康科学修士
・発達ケア・アドバイザー上級

Sota Omura
・Physiotherapist
・Master of Health Science
・JEFPA Certified Foot Care Advisor
・Developmental Care Advisor

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