「走るたびに膝の外側が痛む」「下りのランニングで特にひどい」——これはランナー膝(腸脛靭帯症候群:IT band syndrome)の典型的なサインです。
ランニングやサイクリングをしている方に多く、痛みが悪化すると歩くだけでもつらくなることがあります。この記事では、ランナー膝の原因とOQでのアプローチを解説します。
ランナー膝とは何か
腸脛靭帯(IT band)は、骨盤外側から膝の外側(脛骨の外側)まで走る厚い結合組織です。ランニングや自転車などの繰り返し動作で、この靭帯が大腿骨外側顆と摩擦を起こし、炎症と痛みが生じます。
痛みの特徴は「膝外側」「走行中に出る」「下り坂や下りの階段で悪化する」「安静にすると和らぐがまた走ると再発する」です。
なぜ腸脛靭帯に負担がかかるのか
腸脛靭帯への過負荷は単純な「使いすぎ」だけではありません。以下の要因が複合していることが多いです。
- 股関節外転筋(中殿筋)の弱さ——ランニング中に骨盤が傾くと、膝に内側への力がかかり腸脛靭帯が緊張します
- 足部のアライメント問題——回内足(オーバープロネーション)があると下腿の回旋が増加し腸脛靭帯への負荷が高まります
- 骨盤・腰椎の動きの制限——股関節の動きが制限されると膝への代償負担が増えます
- 急激なトレーニング量の増加——週間走行距離の急増が発症リスクを高めます

OQでのアプローチ
OQでは、痛みの出ている腸脛靭帯だけでなく、全身のアライメントと動きのパターンを評価したうえで施術を行います。
骨盤・股関節・腰椎の評価と調整
骨盤の傾き・股関節の可動域・腰椎のアライメントを確認し、腸脛靭帯への負荷を増やしている構造的な問題に対処します。
足部アライメントの評価
回内足や扁平足がある場合、足部の評価を行います。
中殿筋・臀筋のトレーニング指導
股関節外転筋の強化は、ランナー膝の再発予防に重要です。走行フォームに合わせた運動をご提案します。
復帰プランのアドバイス
「いつから走っていいか」「どのくらいのペースで戻すか」についても具体的にお伝えします。
まとめ
ランナー膝は安静にするだけでは再発しやすい症状です。腸脛靭帯への負荷を生み出している原因を全身から評価し、適切に対処することが大切です。「また走りたい」「競技に戻りたい」という方はぜひOQにご相談ください。
参考文献
- Aderem J, Louw QA. Biomechanical risk factors associated with iliotibial band syndrome in runners. BMC Musculoskelet Disord. 2015;16:356.
- Louw M, Deary C. The biomechanical variables involved in the aetiology of iliotibial band syndrome in distance runners. Phys Ther Sport. 2014;15(1):64–75.
- Strauss EJ, et al. Iliotibial band syndrome: evaluation and management. J Am Acad Orthop Surg. 2011;19(12):728–736.
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