「ボキッと鳴らしますか?」関節の音について、正直に書きます

先に結論から。はい、関節に「ボキッ」と音が出る手技も使います。ただ、それはセッション全体のごく一部です。逆に「鳴らしてもらうこと」自体が目的の方には、OQは向いていないかもしれません。以下、できるだけ正直に書きます。

目次

「ボキボキやりますか?」は、正反対の二人から聞かれる

この質問、月に何度も受けます。おもしろいのは、まったく逆の意味で聞かれることです。

ひとりは「ボキボキされるのが怖い」という方。以前に強く鳴らされて痛い思いをした、あるいは首を触られること自体に不安がある。この方が知りたいのは「されずに済むか」です。

もうひとりは「ちゃんと鳴らしてほしい」という方。鳴らないと物足りない、やってもらった気がしない。この方が知りたいのは「してもらえるか」です。

同じ質問なのに、期待している答えが正反対です。だからこそ、来院してから「思っていたのと違った」となる前に、書いておきます。

あの音の正体

まず音そのものの話をさせてください。ここには言い伝えがかなり混ざっています。

「ボキッ」は、関節のなかにある液体(滑液)に溶けている気体が、気泡になるときの音です。関節の面がすばやく離れると内側の圧力が下がり、そこに泡ができる。あの音はそれです。

骨と骨がぶつかっている音ではありませんし、何かが切れている音でもありません。同じ関節を続けて二度鳴らせないのも、これで説明がつきます。気体がもう一度溶け込むまでに時間がかかるからです。

そして、「指の関節を鳴らすと指が太くなる」「関節症になる」という話。これは研究では裏づけられていません。長年の習慣として鳴らし続けている人を対象にした調査でも、関連は見つかっていません。片手だけを約60年間鳴らし続けて両手を比べた医師の記録もありますが、差は出ませんでした。子どものころに言われた記憶がある方は、手放していただいて大丈夫です。

むしろ大事なのは、別の問いのほうだと考えています。なぜ鳴らしたくなるのか、です。

OQのセッションで、実際どのくらい使うのか

数字で言います。私が関節への直接的な手技(スラスト)を使うのは、経過のなかで見れば8割以上の方に対してです。痛みはほとんどありません。多くの方は「痛い」ではなく「ゆるんだ」と表現されます。

その一方で、1回のセッションの9割ほどは、まったく別のことをしています。

ほとんどはゆっくりした手技です。膜や結合組織にはたらきかけ、関節はリズミカルに、小さく繰り返し動かします。傍から見ると、何をしているのか分かりにくいと思います。受けている側としては深く休まる感覚の方が多く、眠ってしまう方も少なくありません。

音の出る手技は、そのなかの一瞬です。数秒です。数ある道具のひとつであって、まわりの組織が十分ゆるんで、その関節が動きたがっているとわかったときにだけ使います。

だから初回に使うことはあまりありません。まず、やわらかい手技に身体がどう反応するかを見たいからです。1回で判断がつく方もいれば、3回かかる方もいます。最後まで必要にならない方もいます。

使わない場面

  • 2歳未満のお子さん。使いません。もっと小さな力で十分に反応する身体だからです。
  • ご高齢の方で、骨の状態や服薬の経過から適さないと判断した場合。
  • 初回は、上に書いた理由から、多くの場合は見送ります。
  • 評価の結果、適さないと判断した場合——最近のけが、炎症があるとき、すでに動きすぎている関節。
  • 単純に体格差があるとき。私は身長166cmです。体格が私よりかなり大きい方の場合、種類によっては私の身体では正確に行えません。無理に形だけ行うことはしません。その場で正直にお伝えして、別の方法に切り替えます。

「鳴らしてもらうこと」が目的の方へ

正直に申し上げると、その場合はOQは合わないかもしれません。カイロプラクティックのほうが、思い描いているものに近いと思います。京都にも良い施術者はいますし、それで気を悪くすることはありません。

ただ、その前にひとつだけ。よく見かける話なので書いておきます。

自分で首や腰を1日に何度も鳴らす方は、だいたい同じことをおっしゃいます。「楽になるのは本当。でも、もつ時間がだんだん短くなってきた」。1年前は午後いっぱいもったのに、いまは20分。だから回数が増える。

そういう身体を診ていて感じるのは、問題がひとつではなく、二つ隣り合っているということです。動きを失って固まっている分節があり、その分をとなりが肩代わりして、必要以上に動くようになっている。音が出るのは後者のほうです。いちばん動かしやすいからです。まわりの筋肉はその部分を支えようとして張り、それが「こっている感じ」になり、また鳴らしたくなる——という流れです。

ここは慎重に書きます。この因果関係について研究は十分にありません。私が診療室で見ている印象の話であって、定説ではありません。自分で鳴らすことで関節が壊れる、という意味でもありません。ただ、鳴らさないと落ち着かない状態が続いているなら、考える価値があるのは「どうすればうまく鳴らせるか」ではなく、「どこが動かなくなっているか」のほうだと思います。

私が見たいのはそちらです。ひと鳴らしより時間がかかりますし、その場の爽快感では負けます。ただ、経験上、流れが変わるのはこちらのほうです。

坂田と大村、どちらを選べばいいか

OQには施術者が二人います。この件については、二人は交換可能ではありません。

 坂田 雄亮 🟧
院長
大村 颯太 🟦
副院長
フロア1階2階
担当首・背中、全身性の不調、妊娠中、術後、お子さん脳卒中後リハビリ、股関節・膝、下肢、腰痛、歩行指導・歩行解析
音の出る手技使う使わない
資格BSc(Ost) / 英国スウォンジー大学。臨床経験25年以上、2007年2月にOQを開業。理学療法士(国家資格)・健康科学修士。BSc(Ost), Swansea University, Wales, UK(取得予定・2026年)。

音の出る手技を含めて受けたいということであれば、坂田をお選びください。股関節・膝、脳卒中後の回復、歩き方が主な相談内容であれば、大村のほうが適しています。大村はスラストを使わないので、大村のセッションで音が鳴ることはありません。同じ建物にいて、お互いのケースについて話をしていますので、どちらから始めていただいても構いません。

OQは医療機関ではありません。病名の診断や薬の処方は医師が行うものです。急に強い痛みが出た、しびれや力の入りにくさがある、その他ご不安な症状がある場合は、まず医療機関にご相談ください。この記事は一般的な情報であり、個別の状態についての助言ではありません。

よくある質問

痛くありませんか?

痛くありません。動き自体が速くて小さく、関節が動きたい方向に沿って行うためです。思ったより力を使わないことに驚かれる方が多いです。緊張して身構えている状態では行いません。それは、その部分がまだ準備できていないというサインだからです。

初回から鳴らしてもらえますか?

多くの場合、初回は行いません。まず、やわらかい手技に身体がどう反応するかを見たいからです。通っていただくなかでは、ほとんどの方がどこかの時点で関節への手技を受けています。

鳴らす場所を指定できますか?

どこがどう感じるかは、ぜひ教えてください。真剣に受け取ります。ただ、その日の評価で適さないと判断した場合は、ご希望があっても行いません。いちばん強く訴えている関節が、手をかけるべき関節とは限らないためです。

ボキボキされるのが怖いのですが、伝えれば避けてもらえますか?

はい。お申し出があれば、音の出る手技は一切使いません。オステオパシーには間接法や頭蓋への手技など、触れているだけのように見えるやわらかい手技が数多くあります。それだけで組み立てることができますので、遠慮なくお伝えください。

カイロプラクティックとは違うのですか?

違います。手技として重なる部分はありますが、組み立て方が異なります。カイロプラクティックでは背骨の矯正が施術の中心に置かれることが多いのに対し、オステオパシーでは、関節への手技は全身の状態を見わたすなかの選択肢のひとつです。循環、呼吸、結合組織、そしてある部分が別の部分をどう肩代わりしているか——そこまで含めて評価します。詳しくはオステオパシーとカイロプラクティックの違いをご覧ください。

合うかどうか迷ったら

いまの状態を書いてお送りください。OQで力になれそうかどうか、正直にお答えします。合わないと思ったときは、そうお伝えします。

ご予約はこちら:kyotoosteo.simplybook.asia

京都オステオパシーセンターOQ
〒604-8366 京都府京都市中京区七軒町466
阪急大宮駅 徒歩2分
受付 9:00〜22:30(21:30最終受付・完全予約制)/ TEL 075-822-3003
2007年2月開業

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✍️ 執筆:坂田 雄亮(院長)BSc(Ost) / 英国スウォンジー大学にてオステオパシー学士号取得。EVOST修了。The Institute of Classical Osteopathy 修了。Cranial Academy (USA) 40-hour cranial programme 修了。Mind & Membrain certified practitioner。小児・妊婦・術後・全身性の不調に関する臨床を担当。

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この記事を書いた人

坂田雄亮(BSc Ost / 鍼灸マッサージ師)。1999年(17歳)から累計6,000時間以上の継続教育を受講。

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