京都オステオパシーセンターOQ OQが大切にしていること
「わかった。で、何をしてくれるの?」
前のページで、こうお伝えしました。
・ 体を治すのは、あなたの体そのもの
・ 私たちオステオパスは、その環境を整える手助けをする
・ 時間はかかる。でも正しい方向に向かえば、体は変わる
ここまでは「考え方」の話でした。
でも当然、次の疑問が湧きますよね。
「じゃあ、具体的にはどうするの?」
「何回くらい通えばいいの?」
「終わりはあるの?」
お答えします。
家のリフォームを想像してください
OQが大切にしていることを、一言で言うならこうです。
Re・Form(リフォーム)。
「リフォーム」と聞くと、家の改修を思い浮かべませんか?
長年住んでいる家は、少しずつ傷んでいきます。壁にヒビが入る。床が軋む。排水管が詰まる。窓の立て付けが悪くなる。一つひとつは小さなことでも、重なると「なんだか住み心地が悪い」になる。
あなたの体にも、同じことが起きています。
姿勢の癖、古い怪我の痕跡、ストレスの蓄積、内臓の疲労——長年かけて積み重なった「ズレ」や「詰まり」が、今の不調をつくっている。
リフォームは、一日では終わりません。
でも、終わりがあります。
Re・Form期——まず、ここから
OQに来られた方には、まずRe・Form期をご提案します。
これは、体の土台を整え直す期間です。
目安は、およそ6〜10回。身体の状態によって、もう少しかかることもあります。
1回の施術は40分が基本です。じっくり手を入れて、体の変化を待つ。それがRe・Formの進め方です。
まずは3回。体の「返事」を見ていきます
「結局、何回かかるの?」——一番知りたいところだと思います。
正直にお伝えすると、初回だけで「あと何回」と言い切ることはできません。体の反応は、実際に手を入れてみないとわからないからです。
だからOQでは、まず最初の3回くらいを、週1回または2週に1回のペースで始めていただくことがほとんどです。近所の方も、少し遠くからの方も、この入り口はだいたい同じです。
この3回は、いわば「体との対話」の期間です。手を入れて、体がどう返事をするかを読んでいきます。
そして3回目くらいまでには、見通しをできるだけお伝えするようにしています。あとどのくらいか、どこを目指すのか。先が見えないまま通い続けるのは、不安なものですから。
「6回」と聞いて、多いと思いましたか?
家のリフォームで考えてみてください。何年も、何十年もかけて積み重なった傷みを、職人が一日で直せるでしょうか。一週間でも難しい。でも、ちゃんと計画を立てて、順番に手を入れていけば、見違えるように変わる。
体も同じです。
築5年と、築40年では、違います
リフォームの話をもう少しだけ。
築5年の家と、築40年の家、築70年の家。同じ「リフォーム」でも、手を入れる量も、かかる時間も、まるで違いますよね。
築5年なら、ちょっとした調整で済む。壁紙を替えて、建具を少し直して、はい終わり。
築40年なら、配管も見直さないといけない。床下の状態も確認したい。それなりに時間がかかる。
築70年なら——もっと丁寧に、もっと慎重に、でもちゃんと計画を立てれば、見事に生まれ変わる。古い家には古い家の味わいがある。急がず、でも確実に。
体もまったく同じです。
赤ちゃんや小さなお子さんは、いわば「築浅」。体の歴史が短い分、手を入れればすぐに反応が返ってくる。驚くほど早く変わることも珍しくありません。
30代、40代は、仕事や育児や生活の中で少しずつ蓄積してきたものがある。そのぶん、少し時間をかけて順番に整えていく。
60代、70代になると、体はもっと長い物語を抱えています。でも、それは「もう手遅れ」ということではない。時間をかけて積み重なったものを、時間をかけてていねいに整え直す。それだけのことです。
大事なのは、どの「築年数」でも、計画を持って進めれば体は応えてくれるということ。
私がその計画を立てます。
複雑な体には、「何回」より「どう進めるか」
さっきの築年数の話には、もう一つの軸があります。
長く付き合ってきた不調のある方。大きな手術を経験された体。大きな事故に複数回あわれた方。長い間、強いストレス環境におられた方——こういった体は、たくさんの物語を抱えています。
こういう体に対しては、OQは「あと何回」という回数よりも、「どのくらいの期間をかけて整えていくか」という時間軸で考えていきます。焦らず、体のペースに合わせて。
そして、ここがOQの根底にある考え方です。
大事なのは、「何をするか」よりも、「どのように改善していくか」という計画です。
どんな手技を使うか、どこを触るか——それは手段です。それよりも、体全体をどう読み、どの順番で、どこを目指して整えていくか。この「進め方の設計」こそが、本当の意味での「何をしているか」なのだと、私たちは考えています。
骨を鳴らすとか、こりをもみほぐすとか、そういう「何をされたか」ではなく、「どう変わっていったか」で語れるように。それがOQの目指すところです。
あなたの体は、ずっと黙って働いてくれていた
ここで、もう一つ大事な話をさせてください。
ドイツの哲学者ハイデガーが、こんなことを言っています。
「道具は、壊れたときにだけ意識される」
ハンマーを使っているとき、私たちはハンマーのことなんて考えない。釘のことだけ見ている。でもハンマーが壊れた瞬間——「あ、ハンマーがあったんだ」と、はじめて気づく。
体も、同じです。
痛くないとき、調子がいいとき、私たちは体のことなんて意識しない。仕事をして、子どもを抱えて、走って、食べて。頭の中にあるのは「やるべきこと」だけで、それを動かしてくれている体のことは、考えもしない。
でも体は、ずっとそこで黙って働いてくれていた。
起き上がり小法師をご存じですか? 押しても押しても、ゆらゆら揺れながら元に戻るあの人形です。
あなたの体も、ずっとそうしてきました。日々の疲れ、古い怪我、姿勢の偏り、ストレス——そういうものが少しずつ体を「押して」きた。でも体は、そのたびにゆらゆらしながらも、なんとかバランスを保ってきた。文句も言わず。あなたが気づかないところで、体はずっと起き上がり続けていたんです。
でも、今あなたが感じている痛みや不調——それは、起き上がり小法師がいよいよ傾きすぎて、自分では戻りきれなくなっているサインです。
壊れたハンマーが「ここにいたよ」と教えてくれるように、症状は体が「ここまでは頑張ったよ。でも、もう少し手を貸して」と、はじめて声を上げた瞬間です。
症状は「敵」ではありません。ずっと黙って働いてくれていた体が、はじめてあなたに話しかけている声です。
Re・Formは、その声に応えることです。傾きすぎた体を、もう一度自分で起き上がれるところまで戻す。そこから先は、体がまた黙って、あなたのために働いてくれる。
施術は40分が基本。でも、「まずは20分」が合う体もあります
OQのRe・Formは、40分の施術が基本です。
体は、一つの場所をいじっても変わりません。胸郭、横隔膜、骨盤、背中——つながりを順に読んで、必要なところに手を入れていく。そのためには、ある程度の時間がいります。
ただし、最初は20分から始めたほうがいい体の状態もあります。
歯科の治療を想像してみてください。いきなり全部を一度にとはいかず、何回かに分けて丁寧に進めていくことがありますよね。体も同じで、いきなり大きく変えてしまうことがあまり適さないご状態——たとえば退院直後や、病み上がりなど、体力がまだ十分に戻っていないときがあります。
そういうときは、20分の施術を、短く、こまめに重ねていきます。そして、状態が変化し、体力が回復して「もう少ししっかり手を入れても大丈夫」と判断できたら、40分へ切り替えるご提案をします。
「短いほうが手抜き」ということではありません。そのときの体が受け取れるだけの刺激を、丁寧に選んでいる——それだけのことです。
どちらがいいかは、体が教えてくれます。初回のカウンセリングと施術を通じて、一緒に計画を立てましょう。
「通わせたい」のではありません
ここで、とても大事なことをお伝えします。
OQは、通わせることを目的にしていません。
世の中には「毎週通ってください」「ずっと通い続けてください」という整体院や接骨院もあるかもしれません。私たちの考え方は、まったく違います。
オステオパシーの創始者A.T.スティルは、オステオパスの役割をこう表現しました。
「自然の棟梁(Nature’s Foreman)」
棟梁とは、建築現場の現場監督です。
家を建てるのは大工さんや左官屋さん——つまり、あなたの体そのもの。棟梁は自分で釘を打つわけではない。全体を見渡して、「次はここを直そう」「この順番でいこう」と指示を出し、工事がスムーズに進むように段取りする。
私たちオステオパスの仕事も、そういうものです。
体という「現場」を見渡して、どこに手を入れるべきか判断し、体が自分で修復していけるように段取りする。
そして——棟梁の仕事には、終わりがあります。
リフォームが完了すれば、棟梁は現場を離れる。あとは住む人が、日々の暮らしの中で家を大切にしていけばいい。
痛みが取れたことは、ゴールではありません
実は、回数そのものは、それほど重要ではありません。
1回、2回で痛みがすっと軽くなる方も、たくさんいらっしゃいます。もちろん、それはとてもうれしいことです。
でも、私たちオステオパスの仕事は、「痛みを消すこと」そのものではありません。
思い出してください。オステオパスは、体という「現場」の棟梁(とうりょう)です。棟梁の仕事は、目の前の一本の釘を打つことではなく、家全体がちゃんと機能するように段取りすることでした。
体も同じです。痛みや症状は、体のどこかの関係がうまくいっていないことの、表れです。だから私たちが見ているのは、痛みそのものよりも、その痛みを出している体のつながり、そして体と暮らしの環境との関係です。その関係が最もよい状態に整うこと。それが棟梁の本当の仕事です。
だから、たとえ痛みが早く消えたとしても、そこで手を止めるのではなく、体が本来の働きを取り戻し、自分で自分を整えていけるようになるまで、棟梁としての仕事をします。
それが、OQの根底にある考え方です。痛みを追いかけるのではなく、体という現場全体を見渡して、もう一度うまく回りはじめるまで伴走する。
Re・Formが終わったら——メンテナンス期へ
Re・Form期が終わると、メンテナンス期に入ります。
ここからは、主役が入れ替わります。
Re・Form期は、私たちオステオパスの仕事が主軸でした。体の構造を読み、計画を立て、手を入れていく。あなたは「来て、横になる」でよかった。
メンテナンス期は違います。
主役は、あなたです。
あなたが自分の体の状態を感じて、「そろそろメンテナンスしたいな」と思ったときに来てください。月に一回の方もいれば、季節の変わり目だけの方もいる。半年に一回という方もいます。
行きつけの美容院のようなものです。「そろそろ切りたいな」と思ったときに行く。毎月の人もいれば、半年に一度の人もいる。車の定期点検に出すような感覚でもいい。
具体的には、こんな使い方をされる方が多いです。月に1〜2回、20分の施術で軽く整える方。1か月ごとや、季節の変わり目に、40分でしっかり手を入れる方。どちらが正解ということはなく、そのときのご自身の感覚で選んでいただけます。
そして、これはあくまで理想なのですが——とくに不調がなくても、半年に1回、できれば3か月に1回くらいは受けていただけると、体が大きく傾く前に整えやすくなります。何かが起きてからより、起きる前のほうがずっと楽だからです。
あなたの体調を基に、あなたのペースで、私たちを使ってください。
それが、OQの考えるメンテナンスです。
まとめると
OQの「整えるプラン Re・Form」は、2つのフェーズで進みます
① Re・Form期
体の土台を整え直す集中期間。およそ6〜10回(1回40分が基本)。
複雑な体の場合は、回数ではなく期間で考えます。
オステオパスが主導して、体の構造を読み、計画的に手を入れる。
終わりがあります。
② メンテナンス期
Re・Formが完了した後の維持期間。あなたが主役。
体調に合わせて、ご自身のペースで来院。
私たちは、あなたが必要なときに使える「道具」になります。
「通わされる」のではなく、「使いこなす」
最後にもう一度。
OQは、あなたを「通わせたい」のではありません。
体が必要としていることが終わるまでは、私たちの仕事として責任を持って付き合います。でもそれが終われば、あとはあなたの人生です。
必要なときに、必要なだけ。
私たちを道具として、うまく使ってください。
いい道具は、使う人の手に馴染むものです。
もう少し深く知りたくなったら
OQがどんな視点で体全体を見ているのか、もう少し詳しく書いたページがあります。