腸脛靱帯炎は、膝の外側から太ももの外側にかけて伸びる腸脛靱帯に負担が重なり、ランニングや坂道で膝外側に痛みが出る状態です。いわゆる「ランナー膝」と呼ばれることもあります。
走行距離の増加だけでなく、股関節の使い方、骨盤の安定性、足の接地の仕方が重なることで起こりやすくなるため、膝そのものだけでなく下肢全体の連動を見ていくことが大切です。
一般的には、ランニング量の調整、アイシング、ストレッチ、フォームローラー、痛み止め、フォームの見直しなどが行われます。急性期の痛みを落ち着かせるうえで大切な対処です。
ただ、股関節まわりの安定性や骨盤の動き、足の接地の偏りが残ったままだと、再び膝外側に負担が集まりやすくなります。痛い場所だけを追うのではなく、走る時の連動を整理していく視点が役立ちます。
OQでは、腸脛靱帯炎を「膝の外側だけの問題」とは捉えません。骨盤の安定性、股関節外側の働き、足部の接地、体幹の使い方が重なることで、腸脛靱帯に必要以上の張力がかかっていることがあります。
そのため、膝の局所だけでなく、歩行や走行の中でどこに無理が出ているのかを全体として見ていきます。練習量や日常動作も含めて整理していく流れです。
走りながら整えるための目安
痛みがはっきりある時期は、初期段階では1週間に1回程度で状態を確認していくことが多いです。症状や練習量の変化に合わせて、少しずつ間隔を広げていきます。
大会や練習計画がある方も多いため、無理の少ない形で継続できる進め方を一緒に考えていきます。
走りの癖をため込みにくい状態へ
症状が落ち着いたあとも、走行距離が多い方では股関節や太ももの外側に疲労がたまりやすいことがあります。そのため、必要に応じて2〜4週に1回程度で状態を確認していくことがあります。
痛みが出てから対応するだけでなく、フォームや負担の偏りを早めに整えておくことが再発予防につながることがあります。
走れない焦りがある時こそ、戻し方を丁寧に
ランナー膝は、少し楽になるとすぐに距離を戻したくなる症状でもあります。ただ、焦って戻すと再び膝外側に負担が集まりやすくなります。
だからこそ、我慢して走り続けるか完全に止めるかの二択ではなく、今の身体に合った負荷のかけ方を探していくことが大切です。安心して走れる状態を一緒に目指していきましょう。
膝まわりのランニング障害との違いが気になる方はこちらもご覧ください。
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理学療法士・健康科学修士。ランニングに伴う膝や下肢の痛みについて、症状そのものだけでなく、フォームや身体全体の使い方まで含めて整理しながらサポートしています。
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