大腿骨頸部骨折の標準治療は、骨折の型(関節包内 or 外)と患者さんの状態に応じて、以下の手術が選択されます。
- 人工骨頭置換術(関節包内骨折・転位型)
- 骨接合術(髄内釘・スクリュー — 関節包外骨折・若年者の関節包内骨折)
- 術後早期離床(術後翌日からの離床が標準)
- 回復期リハビリ病棟・通院リハビリ(保険適用)
- 装具・杖・歩行器などの歩行補助具
これらは復帰のために重要な治療ですが、保険診療リハビリには期間と頻度の制限があり、退院後に動きが落ちていくケースが少なくありません。とくに高齢の方は、リハビリ卒業後の継続的なサポートが、寝たきり予防の鍵になります。
術後の目標は「歩けること」だけでなく、「安心して動けること」です。歩けても外出が怖くなれば、活動量は減り、廃用症候群が進みます。これは寝たきりへの最大のリスク要因の一つです。
当院では、股関節・骨盤・足部の連動と、足裏感覚や動的バランスの再教育を重視します。転倒予防の専門的な視点(歩行分析・足裏センサーの活性化)を組み合わせて、ご本人とご家族が安心できる動作レベルを目指します。
術後の組織治癒・骨癒合の評価は医療機関の専門領域です。当院は主治医のリハビリ計画と並行して、生活動作の質を支える役割として位置づけています。
股関節周囲の可動域維持
術側の関節可動域(屈曲・伸展・外転)を丁寧に確認し、瘢痕や癒着への配慮をしながら、無理のない範囲で動きを取り戻します。
体重移動・荷重感覚の再教育
術側に体重を乗せる感覚が戻らないと、左右非対称な歩行が続きます。荷重練習を段階的に行います。
歩行パターンの最適化
歩行器→杖→杖なし、と段階的に歩行補助具を減らすための、安全な歩き方の指導を行います。
動的バランスと転倒予防
方向転換・段差越え・椅子からの立ち上がりなど、転倒リスクの高い動作を安全に練習します。
反対側の予防的アプローチ
反対側も骨密度が下がっている可能性が高いため、両側の体重支持力と歩行戦略を同時に整えます。
家族向けセルフケア指導
ご家族が自宅でできる足裏マッサージ・歩行サポート・声かけ方法を共有し、日常での継続を支えます。
段階的に動作の質を整える
退院後・保険リハ卒業後は、おおよそ1週間に1回のペースをお勧めしています。動作が安定してきたら、徐々に間隔を延ばしていきます。
無理のない範囲で継続できる頻度を、ご本人・ご家族・主治医と相談しながら設計します。
転倒予防と寝たきり予防
状態が安定してきたら、2〜4週に1度のメンテナンスに切り替えることをお勧めしています。
転倒予防とセットで取り組むことで、再骨折のリスクを下げ、活動的な日常を支えます。
動き続けることが、寝たきりを遠ざける
「歳のせいだから仕方ない」と諦める前に、できる範囲で動き続けることが、生活の質を最も大きく左右します。
退院後の日々をどう過ごすかが、半年後・1年後の身体の状態を決めます。ご家族の協力も大きな力になります。
ぜひ、ご家族と一緒にご来院ください。動きやすさが戻ると、外出する楽しみも戻ってきます。
※ 保有資格として、理学療法士を取得していますが、当院では整体師として活動しています。
※ 当院で提供するサービスは施術や運動指導であり、医療機関が提供するリハビリとは異なります。


