五十肩は「痛みが引いた後」が本番。可動域制限を放置すると起こる二次障害とは
はじめに
五十肩(肩関節周囲炎)は、強い痛みが落ち着いてくると「もう治ったかもしれない」と感じやすい状態です。日常生活の動作にもあまり支障がなくなると、リハビリや治療をそこで止めてしまう方も少なくありません。しかし、この回復期にこそ注意していただきたい落とし穴があります。腕があと十数度ほど上がりきらない、背中に手が回りにくい、動かすと突っ張る、こうした可動域制限が残っているケースが非常に多いのです。痛みが取れたという安心感の裏で、肩の動きが完全には戻っていない状態を放置すると、肩以外の場所に負担が広がり、時間が経ってから別の不調として現れることがあります。本稿では、五十肩の回復後に「あと少し動かない」状態を残すリスクと、目指したい回復のゴールについて解説します。
第一章:五十肩の回復期に残る「あと10〜20度の制限」が見落とされやすい理由
五十肩は、急性期の強い痛みを過ぎると、一定の動きが戻ってきます。シャツを着る、料理をする、車を運転するといった日常動作ができるようになると、患者さん自身も「もう大丈夫」と判断しやすいのが現実です。しかし臨床現場で多くの肩を見ていると、見た目には動いているように見えても、最終可動域でいう180度の挙上まで腕が上がらない方が大半です。具体的には、健側に比べて10度から20度ほど挙上が制限されているケースがよく見られます。本人の感覚ではほとんど不便を感じない範囲ですが、関節や周囲組織のレベルで見ると、肩甲骨の上方回旋や上腕骨の外旋、胸郭の伸展が不十分なまま残っているということです。この「不完全な回復」を完成形と勘違いしてしまうと、次の章で述べるような代償動作が日常生活の中で繰り返されることになり、肩以外の場所に少しずつ負担が蓄積していきます。
第二章:肩の制限が腰痛と呼吸の浅さに波及するメカニズム
腕を頭上まで上げる動作は、肩関節だけで完結しているわけではありません。本来は、上腕骨と肩甲骨の協調運動に加え、胸椎の伸展、肋骨の動き、骨盤の前後傾、さらには下肢の支持まで含めた全身の連動によって成立します。もし肩の動きが20度足りないまま腕を上げ続けると、足りない分はどこかが余分に動いて補わなければなりません。多くの場合、その代償役を担うのが腰椎です。腰椎が過剰に伸展することで一時的には腕が上がりますが、これを毎日繰り返せば腰椎周囲の筋や関節への負担は積み重なり、後から腰の張りや腰痛として現れます。もう一つの代表的な波及は呼吸です。五十肩の痛みを我慢していた期間が長いほど、肩周囲だけでなく肋骨周囲や胸まわりの筋まで防御的に硬くなっています。この緊張が抜けないと、胸郭が十分に広がらず、呼吸が浅いまま固定されてしまいます。肩は治ったのに疲れやすい、緊張が抜けにくい、寝つきが悪いといった訴えの背景に、こうした胸郭由来の浅い呼吸が隠れていることもあります。
第三章:将来の二次障害を予防するために目指したい回復のゴール
五十肩の回復後に大切なのは、痛みの有無だけをゴールにしないことです。目安としては、腕が180度近くまで挙上できる最終可動域、左右差の少ない動き、胸郭と呼吸のしなやかさ、この三点を回復のゴールとして意識していただきたいと考えています。可動域の最後の10〜20度を取り戻す作業は、痛みが強い時期の治療とは性格が異なり、肩甲骨や胸郭の動きを丁寧に引き出し、呼吸と連動させながら全身の使い方を整えていく工程になります。ここを省略してしまうと、その時は何ともなくても、十年後・二十年後に別の症状として表面化したときに、原因が過去の五十肩だったとは気づきにくくなります。逆に言えば、回復期にこの仕上げを丁寧に行うことは、未来の腰痛・肩こり・呼吸の浅さの予防に直結します。痛みが取れたあとこそ、最後の仕上げに時間をかける価値があるのです。
おわりに
五十肩は「痛みが引いた後」が本番です。残っている10〜20度の制限を軽く見ず、最終可動域までしっかり仕上げることが、将来の二次障害を予防する一番の近道になります。痛みが落ち着いたあとに動きの違和感が残っている方、左右差を感じている方は、早めに身体の状態を見直していただくことをおすすめします。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、症状の強さや経過には個人差があります。気になる症状が続く場合は、医療機関や専門家にご相談ください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京都オステオパシーセンター:OQ
〒604-8366 京都府京都市中京区七軒町466
最寄駅:阪急大宮駅 徒歩2分
京都 中京区 めまい、頭痛、産前産後、不妊、
マタニティ整体、呼吸器、子供の発達、
脳卒中後遺症 人工関節、
慢性的な痛み(肩こり・腰痛・変形性膝関節症
変形性股関節症など)
受け付け時間:9時~21時(完全予約制)
坂田:日・祝 休み
大村:土 休み
問い合わせ先
【坂田】
LINE: https://lin.ee/clbSLGg
電話:075-822-3003
【大村】
LINE: https://lin.ee/XnR5zpR
電話:080-3850-1264
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

コメント