変形性膝関節症と歩行——オステオパシーの視点から考える

膝が痛くて歩くのがつらい。階段の上り下りが怖い。そういう状態が続いている方、多いと思います。

整形外科で「変形性膝関節症」と診断されたとき、多くの方が「軟骨がすり減っているから仕方ない」と言われます。確かにそれは事実の一部です。ただ、それだけで終わらせてしまうのは、少しもったいないと思っています。

今日は、歩行とオステオパシーという観点から、膝の痛みについて考えてみます。


目次

膝だけを診ていないか?

変形性膝関節症の方の歩き方を観察すると、ほぼ全員に共通するパターンがあります。

膝をかばうあまり、股関節や足首の動きが制限されていること。そして体幹の安定性が落ちているため、歩くたびに膝に余計な負荷がかかっていること。

つまり、膝の痛みの原因が「膝だけ」にあるとは限らないのです。

股関節の可動域が狭くなると、その代わりに膝が余計な動きを強いられます。足首が硬いと、衝撃を吸収できずに膝に響きます。体幹が弱いと、重心がぶれるたびに膝関節に負荷がかかります。

これはオステオパシーの基本的な考え方と一致しています。「体はひとつのシステム」として機能している。だから膝だけを診るのではなく、体全体の動きのパターンを観ることが大切です。


歩行評価で何がわかるか

初回の施術では、必ず歩いていただきます。

どちらの足に重心が乗りやすいか。骨盤はどちらに傾いているか。股関節の可動域はどうか。足首の動きに左右差はないか。

こうした観察から、「なぜ膝に負荷がかかっているのか」の背景が見えてきます。

よくあるのは、反対側の股関節や足に過去に怪我や手術があって、そちらをかばううちに膝に問題が出てきたというパターン。または長年の仕事環境(立ち仕事・座り仕事)による姿勢の偏りが積み重なったケース。

症状は膝に出ていても、原因が別の場所にあることは珍しくありません。


オステオパシー+運動指導で目指すこと

施術では、膝関節そのものへのアプローチに加えて、股関節・足首・骨盤・体幹の可動性と安定性を整えていきます。

さらに重要なのが、自分の身体の使い方を学ぶことです。

どう体重をかけると膝への負担が少ないか。階段を上るとき、どこに意識を置くといいか。日常の動作の中で、少しずつ負担を減らしていく。

施術で整えた状態を、日常生活でキープするための運動やセルフケアもお伝えしています。


「軟骨がすり減っているから」で諦めないで

軟骨は確かに戻りません。でも、痛みが出るメカニズムは軟骨だけではありません。

筋肉のバランス、関節の動き方、体重のかかり方——これらは変えていくことができます。

変形性膝関節症と診断されても、歩くことが楽になった方は多くいます。体の動かし方を変えることで、日常の質は変えられます。

膝のことで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


京都オステオパシーセンターOQ 2F
副院長 大村 颯太(理学療法士・健康科学修士)

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この記事を書いた人

京都オステオパシーセンターOQ 院長。英国スウォンジー大学 BSc(Ost) オステオパシー学士。小児・妊婦・皮膚・内臓・頭蓋オステオパシーを専門とする。

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