産後のオステオパシー

出産を終えた体は、想像以上に大きな仕事をしたあとです。

約10ヶ月かけて変化してきた体が、今度は「元に戻る」プロセスを始めています。子宮は収縮し、骨盤は閉じようとし、伸び切った腹筋や靭帯は少しずつ張りを取り戻そうとしている。ホルモンバランスも劇的に変わります。

でも、赤ちゃんのお世話に追われる毎日の中で、自分の体のことは後回しになりがちです。「産後は寝てれば治る」「骨盤ベルトをしておけば大丈夫」——そう聞いたことがあるかもしれません。

実際には、体の回復には思った以上に時間がかかります。そして、ちょっとしたサポートがあるかないかで、その後の体の状態は大きく変わります。

こんな産後の不調はありませんか?

産後ケアの施術風景

✔ 腰や骨盤まわりが不安定で、歩くのがつらい
✔ 恥骨のあたりが痛む
✔ お腹に力が入らない、お腹がぽっこり戻らない
✔ 尿もれが続いている
✔ 帝王切開の傷跡がつっぱる、その周辺が痛む
✔ 授乳中の肩こり・背中の張りがひどい
✔ 尾てい骨が痛くて座っていられない
✔ 疲れているのに眠れない、気分が落ち込む

これらは「そのうち治るもの」とされがちですが、体が出しているサインです。放っておくと慢性化することもあります。

産後の体で何が起きているか

産後の体の変化は、妊娠中の変化を「巻き戻す」プロセス——ですが、ただ元に戻るわけではありません。出産という大きなイベントを経た体には、新たに対処すべき課題が加わっています。

骨盤と靭帯
妊娠中に分泌されたリラキシン(Relaxin)は、産後もしばらく体内に残ります。靭帯は緩んだままで、仙腸関節(sacroiliac joint)や恥骨結合(pubic symphysis)の安定性はすぐには戻りません。授乳中はさらにリラキシンの影響が続くこともあります。「腰がグラグラする」「歩くと骨盤がずれる感じがする」のは、この時期特有の状態です。

骨盤底筋群(pelvic floor)
骨盤底筋群は、妊娠中ずっと内臓と赤ちゃんの重さを支え続け、経膣分娩では大きく引き伸ばされます。産後に尿もれが起きるのは、この筋群がまだ回復していないから。骨盤底は「下の横隔膜」とも呼ばれ、呼吸や腹圧のコントロール、姿勢の安定にも深く関わっています。

腹直筋離開(diastasis recti)
妊娠中にお腹が大きくなると、左右の腹直筋をつなぐ白線(linea alba)が引き伸ばされて薄くなります。産後、この離開が自然に閉じる方もいますが、2本指以上の幅が残る方も少なくありません。お腹に力が入りにくい、ぽっこりお腹が戻らない、腰痛が続く——こうした症状の背景に腹直筋離開があることがあります。

帝王切開後の体
帝王切開は、皮膚・皮下脂肪・筋膜・腹直筋・腹膜という何層もの組織を切開する手術です。傷自体はきれいに治っても、その下で瘢痕組織(scar tissue)が周囲の筋膜や組織と癒着を起こすことがあります。傷跡がつっぱる、お腹が引っ張られる感じがする、腰が痛い——こうした症状が帝王切開の瘢痕に由来していることは珍しくありません。

ホルモンの急変とメンタルヘルス
出産後、妊娠中に高かったエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下します。この急降下が、産後3〜5日に起きる「ベビーブルー」の大きな原因です。多くの場合は一時的ですが、10〜20%の方は産後うつ(Postpartum Depression)に進行します。体のケアと心のケアは、産後においては切り離せません。

OQのオステオパシーではこう考えます

産後の体は「壊れた」のではありません。大きな仕事を終えたあとの、回復のプロセスにあります。

オステオパシーの役割は、その回復を妨げている「体の制限」を見つけて取り除くこと。骨盤の歪み、筋膜の癒着、内臓の位置の変化、呼吸パターンの乱れ——こうした制限を解放することで、体が自分のペースで回復できる環境を整えます。

骨盤だけを見ない
「産後=骨盤矯正」というイメージがあるかもしれません。でも、骨盤の状態は全身とつながっています。横隔膜の動き、内臓の位置、脊柱のアライメント、骨盤底筋群の張力——これらが連動して骨盤を支えています。骨盤だけを「締める」のではなく、全身のバランスの中で骨盤が安定する環境を作ることが、OQのアプローチです。

帝王切開の瘢痕ケア
帝王切開後の瘢痕は、見た目以上に体に影響を与えることがあります。瘢痕組織が周囲の筋膜と癒着すると、腹壁の動きが制限され、腰痛や骨盤底の問題につながることがあります。瘢痕とその周囲の組織の柔軟性を回復させるアプローチも、産後のオステオパシーの大切な一部です。

授乳姿勢と肩・背中
1日に何回も繰り返す授乳は、同じ姿勢の蓄積で肩や背中に大きな負担をかけます。胸椎の可動性の回復、肩甲帯の緊張解放は、授乳期のお母さんにとって即効性を感じやすい施術の一つです。

頭蓋・自律神経系の調整
産後は睡眠不足とホルモンの急変が重なり、自律神経系が過緊張状態になりやすい時期です。頭蓋へのソフトなアプローチは、この神経系の過緊張を鎮め、体全体の回復力を高めることを目的としています。「触れているだけ」のように見えて、実は体の深い層に働きかけています。

施術について

産後のお母さんへの施術は、すべてソフトな手技で行います。体が回復途中であることを前提に、その日の体の状態に合わせてアプローチを選びます。

赤ちゃんと一緒に来院いただけます。施術中に赤ちゃんが泣いても大丈夫です。授乳のタイミングも自由に取っていただけます。

産後いつから受けられるかに決まりはありません。体調が安定していれば、退院後すぐにでも来ていただけます。帝王切開の方は、傷の状態を見ながら、通常4〜6週以降をおすすめしています。

担当:坂田雄亮(院長・1階)
英国スウォンジー大学でオステオパシー学士(BSc Ost)取得。小児・妊婦・産後のオステオパシーを専門とし、18年の臨床経験があります。

料金:
60分枠 11,000円(施術時間約40分)+初診料3,300円
赤ちゃんと一緒にお越しいただけます。

大切にしていること

産後のお母さんは、赤ちゃんのケアに一生懸命で、自分の体のことを後回しにしがちです。「このくらい我慢できる」「そのうち治るだろう」と思っているうちに、慢性的な不調として定着してしまうことがあります。

体の回復に「遅すぎる」ということはありませんが、「早めに手を打つ」ことで回復は格段にスムーズになります。産後の体は「元に戻る」のではなく、「新しい平衡点」を見つけていくプロセスにあります。その新しいバランスを見つける手助けをすること——それがOQの産後ケアです。

オステオパシーは、産婦人科や助産院のケアに代わるものではありません。産後健診や母乳外来で診てもらっている方も、体の構造面からのサポートとして、ぜひ併用してください。

よくある質問

Q. 産後いつから受けられますか?

経膣分娩の方は、体調が安定していれば退院後すぐにでも受けられます。帝王切開の方は傷の回復を考慮し、4〜6週以降が目安です。ただし個人差がありますので、気になることがあれば事前にご相談ください。

Q. 赤ちゃんを連れて行っても大丈夫ですか?

もちろんです。赤ちゃんと一緒に来院される方がほとんどです。施術中に泣いても、授乳やおむつ替えのタイミングも自由に取っていただけます。上のお子さまもご一緒にどうぞ。

Q. 腹直筋離開はオステオパシーで治りますか?

腹直筋離開そのものを「閉じる」施術ではありません。ただ、離開の回復を妨げている要因——骨盤底筋群や横隔膜の緊張、腹壁の筋膜の制限、姿勢のバランス——に働きかけることで、体が自然に回復しやすい環境を作ります。必要に応じてセルフケアのエクササイズもお伝えします。

ご予約・お問い合わせ

京都オステオパシーセンターOQ
京都市中京区七軒町466(阪急大宮駅 徒歩2分)
受付時間:9:00〜22:30(21:30最終受付・完全予約制)

産後のケアは坂田(院長・1階)が担当します。

📞 電話:075-822-3003
💬 LINE(院長):こちらから友だち追加
📱 LINE(予約専用):こちらから予約

「HPを見たのですが」とお伝えください。

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※ 産後の症状が強い場合や、発熱・出血など医学的な異常がある場合は、まず産婦人科にご相談ください。オステオパシーは医療行為の代替ではなく、医療と併用して体の回復を支援するものです。

ご予約・ご相談

京都オステオパシーセンターOQは、阪急大宮駅から徒歩2分。完全予約制・1階(院長:坂田)にて対応しています。初めての方はお気軽にLINEよりご相談ください。