赤ちゃんの頭のかたち・授乳困難とオステオパシー

生まれたばかりのわが子の頭のかたちが気になる。授乳のとき、うまく吸えていない気がする。向き癖がついてしまっている——そんな不安を感じながら、「でもこれって普通のことなのかな」と自分に言い聞かせていませんか。

赤ちゃんの頭のかたちや授乳の問題は、多くの場合、出産という大仕事が赤ちゃんの体に残した「痕跡」です。放っておけば自然に治るものもありますが、早い時期に適切なアプローチをすることで、体の発達にとってより良い出発点をつくることができます。

こんなことが気になっていませんか?

  • 頭が左右非対称で、片側が平らになっている
  • いつも同じ方向ばかり向いている(向き癖)
  • 授乳のとき、片側の乳房ばかり好む・嫌がる
  • うまく深くくわえられず、乳首が痛い
  • 飲んでいるとき、すぐ疲れてしまう・泣いてしまう
  • 哺乳瓶でも量がなかなか飲めない
  • ゲップが出にくい・吐き戻しが多い
  • 抱っこすると体が反り返りやすい

なぜ、赤ちゃんの頭のかたちや授乳に問題が起きるのか

出産という「大仕事」が体に残すもの

赤ちゃんの頭は、出産のために非常に精密な設計をされています。頭蓋骨はいくつかの骨に分かれていて、産道を通過するときに重なり合いながら形を変えます。これは正常なことです。

しかし、分娩が長時間におよんだり、吸引・鉗子を使用したり、帝王切開でも予定外の緊急手術だったりすると、頭蓋骨や頸椎(首の骨)に通常以上の圧力や牽引力がかかることがあります。その結果、頭蓋の縫合部(骨と骨のつなぎ目)や頭蓋底(脳の土台部分)に微細な「動きの制限」が残ることがあります。

頭蓋の制限が引き起こすこと

頭蓋底には、消化・嚥下・吸啜(吸う動作)を司る神経(迷走神経・舌咽神経・舌下神経など)が通っています。頭蓋底の動きが制限されると、これらの神経の働きに影響が出ることがあります。

また、首(頸椎)に左右差があると、赤ちゃんは「向きやすい方向」「吸いやすい角度」ができてしまいます。これが向き癖や、片側での授乳困難につながります。頭のかたちの非対称(斜頭症)は、長時間同じ方向を向いて寝ることで起きますが、その根本に「向きやすい方向がある」という体の非対称性がある場合、頭の形だけをケアしても改善しにくいことがあります。

OQのオステオパシーではこう考えます

OQでは、赤ちゃんの頭のかたちや授乳困難を「症状」としてではなく、「体全体のバランス」として評価します。頭蓋骨の各縫合の動き、頭蓋底の対称性、頸椎の可動性、顎(下顎骨)の動き、そして舌の動きまでを総合的に評価します。赤ちゃんが授乳するとき、舌・顎・頭・首・横隔膜はすべて連動して動いています。どこか一か所に制限があれば、その連動が乱れます。

OQの院長・坂田雄亮は英国スウォンジー大学でBSc(Ost)オステオパシー学士を取得し、ベルギーのmorphologicumにてEVOST(Evolutionary Medicine in the Osteopathic field)を修了した、小児オステオパシーの専門家です。新生児・乳児への施術は、成人とはまったく異なるアプローチが必要で、指先の微細な圧力で頭蓋の動きをサポートします。赤ちゃんが眠ったまま受けられるほどやさしい施術です。

生後4〜8週が最も介入効果が高い時期とされています。頭蓋骨の縫合がまだ柔軟で、神経系の可塑性も高い時期だからです。「様子を見ましょう」と言われても気になる場合、早めにご相談いただくことをおすすめします。もちろん、それ以降の月齢でも対応可能です。

施術の流れ

初回(問診・評価・施術):保護者の方から妊娠・出産の経過、授乳の様子、普段の寝方や抱っこの姿勢など詳しくお聞きします。その後、赤ちゃんを抱っこしたまま、または寝かせた状態で、頭蓋・頸椎・体幹全体を評価します。施術は保護者の方に見ていただきながら進めます。

施術中:赤ちゃんが泣いてしまっても問題ありません。授乳しながら受けていただくことも可能です。施術はすべて、赤ちゃんの状態に合わせてゆっくり進めます。

回数の目安:軽度の向き癖・頭の非対称であれば2〜4回程度で変化が出ることが多いです。授乳困難の場合は、授乳姿勢の相談も含めて複数回の対応になることがあります。

よくある質問

新生児・乳児へのオステオパシーは安全ですか?

はい。新生児・乳児への施術は、成人と同じ手技ではありません。OQでは、指先の軽い接触と微細な誘導のみを使います。関節をボキボキ鳴らすような操作は一切行いません。施術中に赤ちゃんが痛みを感じることはありません。英国・フランスなど欧米では、出産後の赤ちゃんへのオステオパシーは一般的なケアとして普及しています。

頭の形は自然に治りますか?

軽度のものは自然に改善することもあります。ただし、体の非対称性(向き癖の原因)が残ったまま頭の形だけを変えようとしても限界があります。また、頭蓋骨の縫合が閉じる時期(生後6〜12か月ごろ)を過ぎると、形の変化は難しくなります。気になる場合は早めにご相談ください。

授乳困難は母親の問題ではないのですか?

授乳困難の原因はさまざまですが、赤ちゃん側の体の問題が関係していることは少なくありません。うまく吸えない、くわえられない、片側しか飲まないといった問題が、頸椎や頭蓋の非対称から来ている場合、お母さんのラッチオン(くわえさせ方)だけを改善しようとしてもうまくいかないことがあります。赤ちゃんとお母さん、両方の状態を一緒に考えることが大切です。

赤ちゃんのことが気になる方は、まずお気軽にご相談ください。
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