痛い所を触らないのに、なぜ楽になる?オステオパシーが「全身」を見る理由
はじめに
「なんで痛いところを触ってないのに、痛みがマシになるの?」「肩が動かしにくいのに肩を触っていないのに、なんで動きが良くなるの?」といった質問をいただくことがあります。オステオパシーでは、症状だけを切り取るのではなく、体全体をひとつのつながりとして捉える視点を大切にしています。今回は、この考え方を支える代表的な3つの“つながり”を紹介します。
第一章:循環(血液・リンパ)のつながりで「遠い場所」が影響する
たとえば股関節が痛いとき、股関節そのものの問題だけでなく、股関節へ血液やリンパが行き届きにくい状態が関与している可能性があります。血液やリンパの流れは局所だけで完結するものではなく、全身の呼吸や体幹の動きにも影響を受けます。横隔膜の柔軟性が落ちていると、胸郭内外の圧の変化が小さくなり、体液の循環がうまくいかなくなる可能性が示唆されています(Bordoni, 2020)。そのため、股関節の痛みに対して肋骨や胸郭、横隔膜周囲へアプローチすることが臨床上の選択肢になり得ます。狙いは「股関節を直接ほぐす」ことではなく、股関節へ向かう循環の環境を整えることにあります。
第二章:神経学的なつながり(固有感覚)で「足首」が肩に影響する
体には、関節の位置や動きを脳に伝える固有感覚(センサー)があります。たとえば足首の位置がわずかにズレているだけでも、脳が受け取る情報が変わり、姿勢制御や筋の働き方(力の入り方)が変化することがあります。こうした感覚入力の変化は、足首周囲だけでなく、体幹や上肢の動きの質にも影響し得ます。その結果として、「足首を調整したら肩が動きやすくなる」という現象が起こることがあります。これは“魔法”ではなく、神経系の情報処理が全身で統合されているために起こり得る反応です。
第三章:バイオテンセグリティ(張力のバランス)で全身が連動する
体は骨だけ、筋肉だけで成り立っているわけではありません。筋膜や皮膚などの膜組織が連続的につながり、骨は“離れた圧縮体”として存在し、全体の張力バランスで姿勢や動きが保たれるという考え方があります。これを説明するモデルのひとつが、バイオテンセグリティです。バイオテンセグリティは理論モデルとして議論もありますが、筋膜や体液を含めた「全身をひとつのネットワーク」として捉える枠組みは、臨床の観察と相性が良い側面があります(Bordoni, 2020)。どこか一か所に強い緊張や歪みが生まれると、全身の張力の配分が変わり、結果として“症状が出ている部位”への負担が増えることがあります。だからこそ、オステオパシーでは「痛いところだけ」を見ず、全身のバランスを確認したうえで施術の順番や狙いを組み立てます。
おわりに
オステオパシーでは症状だけを見ません。そのため「この症状にはこの手技」といった単純な当てはめではなく、全身のつながりを前提に、今の体にとって何が優先かを考えます。体のすべてを学び続ける必要があるのはとても大変です。しかし、同時に、死ぬまで探究できる魅力があります。これからも勉強を続けていきたいと思います。
参考文献
(Bordoni, 2020) The Five Diaphragms in Osteopathic Manipulative Medicine: Myofascial Relationships, Part 1
(Bordoni, 2020) A Review of the Theoretical Fascial Models: Biotensegrity, Fascintegrity, and Myofascial Chains
(Degenhardt, 1996) Update on osteopathic medical concepts and the lymphatic system
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