「生まれたての赤ちゃんにオステオパシーを受けさせても大丈夫?」——これは多くの保護者の方が最初に感じる疑問です。結論から言えば、適切な訓練を受けたオステオパスによる小児オステオパシーは安全性が確認されており、国際的に広く実践されています。ただし、その理由をきちんと説明できることが大切だと考えています。
安全性の根拠
小児・新生児へのオステオパシーの安全性については、複数の研究と臨床的エビデンスが蓄積されています。
産婦人科医Gail Tully(Webster認定助産師)らを含む複数の研究者が、乳幼児へのオステオパシーの安全性と有用性を報告しています。また、英国では小児オステオパシーが主流の医療機関と連携して実施されており、National Health Service(NHS)の信頼を得た施設も存在します。
当院院長・坂田雄亮は英国スウォンジー大学にてBSc(オステオパシー学士)を取得し、小児オステオパシーの専門的な訓練を受けています。また、ベルギーのmorphologicumにてEVOST(進化医学的視点からのオステオパシー)を5年間修了した、アジアで唯一の修了者です。
赤ちゃんへの施術はどんな感じですか?
「バキバキしない?」「骨をいじるの?」——よく聞かれます。答えは、まったく違います。
新生児・乳幼児へのオステオパシーは、指先で触れるか触れないかくらいの、非常に軽い接触で行います。成人への施術とは根本的に別の手技です。力を加えるのではなく、組織の緊張や動きのパターンをそっと感じ取り、体自身の整復力に働きかけます。施術中、赤ちゃんが眠ったり、リラックスしてじっとしていることも珍しくありません。
なぜ赤ちゃんにオステオパシーが役立つのか
出産は赤ちゃんの体にとっても大きな出来事です。特に長時間の分娩、吸引・鉗子分娩、帝王切開、臍帯が首に巻いていた場合などでは、頭蓋骨・頸椎・仙骨に圧迫や緊張が残ることがあります。
生まれたての赤ちゃんの頭蓋骨はまだ完全に融合しておらず、出産時の圧力に適応する柔軟性を持っています。通常はその後自然に解消されますが、一部の赤ちゃんでは緊張パターンが残り、以下のような症状として現れることがあります。
- 授乳困難(うまく吸えない・左右差がある)
- 向き癖・斜頸(首が一方向に傾く)
- コリック(原因不明の激しい泣き)
- 睡眠の乱れ・なかなか寝つかない
- 頭の形の非対称(向頭位置症)
「Less is More」——赤ちゃんへの施術の基本姿勢
小児オステオパシーで最も大切な原則は「Less is More(少ないほど多い)」です。
赤ちゃんの体は大人に比べて変化が早く、応答性が高い。だからこそ、施術は最小限の刺激で行います。「たくさん治してあげよう」という考えは小児オステオパシーでは逆効果になります。体が自分で調整できる余白を残すことが、最も良い結果につながります。
坂田はCarreiroの小児オステオパシー哲学(「body maps」概念)とBlechschmidtの発生学的視点を臨床の基盤としており、「体は描きかけの地図である」という考えのもとで施術を行っています。
対応している月齢・年齢
当院では生後すぐの新生児から対応しています。月齢・年齢の上限はありません。施術の強度と内容は、お子さんの月齢・発達段階・体の状態に合わせて毎回調整します。
よくあるご質問
施術中、子どもが泣いても大丈夫ですか?
はい。泣くこと自体は問題ありません。施術中に泣く赤ちゃんもいますし、逆にぐっすり眠る赤ちゃんもいます。授乳や抱っこで落ち着かせながら進めることもできます。無理に続けることはしません。
何回くらい受ければいいですか?
新生児・乳児の場合、2〜3回で変化が出ることが多いです。向き癖・コリックなど特定の問題に対しては、3〜4回を目安にしています。体の変化は早いため、成人よりも少ない回数で対応できることが多いです。
医師に相談したほうがいいですか?
かかりつけの小児科医と連携することを推奨しています。オステオパシーは小児科的な治療の代替ではなく、補完的なアプローチです。発熱・感染症・骨折など医学的な緊急性がある状態は、まず医師にご相談ください。
親が付き添えますか?
もちろんです。施術中は保護者の方に抱っこしていただきながら行うことも多いです。お子さんがリラックスできる環境を一緒に作っていただけます。
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