腰痛で「異常なし」と言われた方へ|京都オステオパシーセンターOQ

腰痛でお悩みの方へ — 京都オステオパシーセンターOQ


こんな方が来られています

  • 整形外科のMRIで「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」と言われたが、手術はせずにいる。薬も効き目が薄い
  • ストレッチ、整体、マッサージ、鍼灸、いろんなことを試した。でも一時的に楽になるだけで戻ってしまう
  • 「姿勢が悪い」と何度言われても、意識するとその場は直るが、すぐに元に戻る
  • デスクワークが続く午後や長時間の運転後に必ず悪化する
  • 朝、起き上がるときが一番つらい。しばらく動くと少し楽になる
  • 「年齢のせいだから」「椎間板の問題だから一生つき合うしかない」と言われた
  • 坐骨神経痛のような痛みがお尻から脚にかけて出ることがある

✍️ 執筆者

坂田雄亮(Yusuke Sakata)
イギリス・ウェールズ大学スウォンジー校(Swansea University)オステオパシー学士号(BSc(Ost))取得。ベルギー進化医学系オステオパシー研究所(EVOST — Evolutionary Medicine within the Osteopathic Field)修了(アジア唯一の修了者)。M.I.C.O.(Member of the Institute of Classical Osteopathy, England)。京都オステオパシーセンターOQ院長・OLL株式会社代表取締役。2007年OQ開業、臨床経験25年以上。「何年も腰痛と向き合ってきたのに、一時的にしか楽にならない」というご相談に、長年向き合ってきました。腰痛は腰だけの問題ではありません。仙腸関節・腸腰筋・横隔膜・頭蓋という身体全体のチェーンとして診ることが、OQのアプローチの出発点です。

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「腰だけ診てもらっているのに、なぜ良くならないのか」という疑問

腰痛を何年も抱えていると、「腰のどこが悪いか」はわかっているのに、なぜ良くならないのかという疑問が残ることがあります。

Frank Vertosickは著書『Why We Hurt: The Natural History of Pain』の中で、痛みはもともと「身体からの警告」として機能しているが、長期間続く痛みは警告システムそのものが「誤作動」に近い状態になっていることを述べています。組織の傷みだけを見ていても、解決の半分しか見ていない可能性があります。

Deepak Ravindranは著書『The Pain-Free Mindset』の中で、慢性的な腰痛は「腰椎の問題」だけでなく、脳が「腰は危険だ」という予測を更新できなくなった状態として捉えられると述べています。同じ動作をするたびに痛みが出ることで、脳はその動作を「危険」として学習し、ますます痛みを増幅させる——そのループが、慢性化の核にあります。

OQ(京都オステオパシーセンター)では、こうした「なんで?」を、腰痛の名前で型にはめずに、身体の物語として一緒に辿ります。椎間板ヘルニアという名前がつく手前に、脊柱管狭窄症という名前がつく手前に、身体のどこで何がずっと起きてきたのか。その手前を、一緒に観察していく場所です。


腰痛の「手前」で起きていること

OQでは25年以上、腰痛を抱えてこられる方の身体を一人ひとり観察してきて、いくつかのパターンが見えてきました。

① 「動き出すと少し楽になる」の手前にあるもの

朝一番がつらく、動き出すと少し楽になる腰痛の手前には、仙腸関節と骨盤が夜の間に「静止した状態」で固まっている状態がありました。仙腸関節は骨盤の後ろ、仙骨と腸骨をつなぐ関節です。ここが一方向に圧を受け続けると、朝最初の動きで「鈍い重さ」を感じます。動くと少し楽になるのは、動きによって少し循環が戻るためで、動きのクセが残ったままでは「戻る」ことになります。

② 「ストレッチ・施術で一時的にしか楽にならない」の手前にあるもの

ストレッチや施術でいったん楽になるのに1〜2日で元に戻る手前には、腰を固くする「力」がどこかから来ていて、それが残っている状態がありました。Christine Kothは著書『Tight Hip, Twisted Core』の中で、股関節の前面にある腸腰筋が過緊張の状態になると、腰椎をつねに前方に引っ張り続けると述べています。その引っ張りをとれずに腰だけを伸ばしても、すぐに引き戻されてしまいます。

③ 「姿勢を直しても戻る」の手前にあるもの

意識するとその場は直るのに、すぐ戻ってしまう手前には、骨盤・腰椎・胸椎・頭の4つが一本のチェーンとしてつながっていて、腰だけ変えても全体が変わらない状態がありました。例えば頭が少し前に出ている状態では、それを補正するために腰が反り、仙骨が後傾します。腰椎の形は「腰の問題」ではなく、頭・首・胸椎の積み重ねの結果であることがほとんどです。

④ 「デスクワーク後・長時間運転後に悪化」の手前にあるもの

座り仕事や運転で腰が悪化するパターンの手前には、横隔膜と腸腰筋が「縮んだ状態」で固定されていることがありました。長時間の座位では股関節が屈曲し続け、腸腰筋が短縮して骨盤を引っ張ります。同時に、横隔膜も呼吸を浅くしたまま過ごすと、体幹を内側から支えるシステムが機能しにくくなります。「午後になると腰が重くなる」は、この積み重ねの結果でした。

⑤ 「何年も続く」の手前にあるもの

腰痛が何年も続く手前には、脳が「腰は動かすと危険」という予測を更新できなくなっている状態が重なっていることがありました。Deepak Ravindranが述べているように、痛みが繰り返されると脳はその動作を「危険パターン」として学習し、実際の組織の傷みとは関係なく痛みの信号を出しやすくなります。これが「何をしても戻ってしまう」という体験の背景にあります。OQのセッションでは、身体の動きを取り戻しながら、この予測ループが緩む環境を整えます。


身体の「手前」を見るということ

腰痛の身体は、レンガの壁の同じ場所が、長い年月をかけて少しずつ変形してきた状態に似ています。

割れたレンガを差し替えること——MRIで所見のある椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症への医療介入が必要な段階——は整形外科の役割です。手術が必要なケースもあります。まず整形外科で評価を受けることは、とても大切なステップです。

OQが見ているのは、レンガを「変形させてきた力」のほうです。何年もかけて、仙腸関節の動きが一方向に偏り、腸腰筋が短縮し、脳が「腰は危険」という予測を強化してきた。その力の流れを、身体で読み取ります。

もう一つ、家のドアの話もします。

家のドアが開きにくいとき、丁番だけに油をさしても直らないことがあります。家全体が少し傾いていて、ドア枠ごと歪んでいるからです。

腰痛は腰だけの問題ではない。姿勢は背中だけの問題ではない。慢性の痛みは腰椎だけの問題ではない。OQが見ているのは、症状が出ている部位だけではなく、それを支えている身体全体のバランスです。


OQでできること・できないこと

できること

  • 仙腸関節・骨盤・腸腰筋・横隔膜の動きを観察し、環境を整える
  • 身体全体のバランスとチェーンを見る
  • 整形外科・リハビリと並行して、身体の土台を支える

できないこと

  • 医療的な診断の代わりにはなりません
  • MRIで確認された構造的所見(ヘルニア・狭窄等)を取り除くことはできません
  • 手術が必要なケースは整形外科の領域です
  • 同じパターンに見えても、お一人お一人の身体は違います。同じセッションで同じ結果が出るわけではありません

整形外科・リハビリを受けている方は、そのリハビリを続けたまま、並行してOQをご利用いただけます。身体の手前を整える役割として、OQはその傍らにいます。


よくあるご質問

Q. ヘルニアや狭窄症があっても受けられますか?

はい。MRIで所見があっても、多くの方にお受けいただけます。ただし、神経症状(下肢のしびれ・脱力・膀胱直腸障害など)が強い場合は、先に整形外科での評価をお願いしています。

Q. 「整形外科では異常なし」と言われましたが、来てもいいですか?

はい。むしろそういった方が多くいらっしゃいます。画像上に大きな異常がない腰痛は、構造的な緊張パターンや全身のバランスが背景にあることが多く、OQが得意とする評価の領域です。

Q. 坐骨神経痛のような痛みがありますが受けられますか?

はい。まず整形外科で椎間板や神経の状態を評価していただいた上で、並行してご利用いただけます。仙腸関節や梨状筋の緊張が「坐骨神経痛様」の症状を出していることも多く、構造的な評価が別の視点をもたらすことがあります。

Q. 何回くらい通えばいいですか?

最初の変化は2〜3回で感じる方が多いですが、長年の腰痛ほど変化の定着には時間がかかります。まず3〜5回を一区切りとして、そこで身体の反応を評価しながら続けるかどうかを一緒に判断します。

Q. ストレッチや運動はやめた方がいいですか?

やめる必要はありません。OQのセッションとストレッチ・運動は並行できます。ただし、セッション後24〜48時間は身体が調整しているため、強度の高い運動は少し控えていただくことがあります。


📖 この記事と「体は賢い」冊子のつながり

  • 第1章 体は賢い:「身体はずっと自分で自分を整えてきた」——腰痛の「戻り」もまた、身体が何かを守ろうとしているサインです
  • 第2章 体はつながっている:「腰痛は腰だけの問題ではない」——頭・首・骨盤・股関節のチェーンを見る根拠です
  • 第3章 流れが止まるとき:仙腸関節・腸腰筋・横隔膜の「止まり」——5つのパターンの背景と重なります

👉 冊子「体は賢い」(WP公開時URL:o-q.jp/booklet/


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末尾注記

※本ページは、OQの臨床で出会った複数の患者さんの経験を統合して構成した複合症例(composite case study)を含んでいます。特定の個人を指すものではなく、同じようなパターンで悩んでいる方に参考になるよう、教育目的でご紹介しています。身体の反応は人それぞれ違い、同様の経過や結果を保証するものではありません。

また本ページの見立ては、現在お受けになっている医療を否定したり、代替を勧めたりするものではありません。神経症状(下肢のしびれ・脱力等)がある方は、まず整形外科・脳神経外科・神経内科などの専門医にご相談ください。