「くしゃみや咳で尿が漏れる」「骨盤の中が重だるい」「慢性的な下腹部の痛み」「座っていると骨盤が痛い」——これらは「骨盤底」と呼ばれる体の構造が関係していることがあります。
骨盤底の問題は、特に産後の女性・中高年の女性に多く、「恥ずかしくて相談できない」「年齢のせいで仕方ない」と諦めている方も少なくありません。でも、体の構造として整えられることがあります。
骨盤底とは何か
骨盤の「床」にあたる筋肉群です。ハンモックのように子宮・膀胱・直腸を下から支えています。
骨盤底筋は単独で機能しているのではなく、横隔膜・腹横筋・多裂筋と「体幹の圧力調整システム」として協調しています。歩く・咳をする・持ち上げる——あらゆる動作でこの4つが連動して腹腔内圧をコントロールしています。
このシステムのどこかが崩れると、骨盤底が過剰に負担を受けます。
骨盤底の「過緊張」と「弛緩」
骨盤底の問題は「弛緩(弱くなる)」だけではありません。「過緊張(硬すぎる)」も大きな問題です。
過緊張(骨盤底が硬い)のとき:慢性的な骨盤痛・性交痛・月経痛の悪化・排便困難・頻尿(緊張による)などが出やすくなります。
弛緩(骨盤底が弱い)のとき:腹圧性尿失禁(くしゃみ・咳で漏れる)・骨盤臓器脱・重だるさが出やすくなります。
面白いのは、「過緊張」と「弛緩」が同時に存在することもある点です。部分的に硬い場所があり、別の部分が弱くなる——これが慢性骨盤痛の複雑さの一因です。
骨盤底に影響する「全体の構造」
骨盤底の問題は、骨盤底だけを見ていても解決しにくいことがあります。
仙骨の動きの制限——仙骨は骨盤底筋の付着部であり、仙骨が動かないと骨盤底の緊張パターンが変えにくくなります。出産後に仙骨の可動性が落ちたままになっている方に多いパターンです。
横隔膜の固さ——呼吸のたびに横隔膜と骨盤底は「上下に呼応」しています。横隔膜が固いと骨盤底への圧が不均一になります。
腸腰筋・梨状筋の過緊張——骨盤内を通るこれらの筋肉の緊張は、骨盤底の神経・血管に影響します。慢性骨盤痛に腸腰筋が関係することは多い。
OQでのアプローチ
- 仙骨・仙腸関節の動きの回復——骨盤底筋の緊張パターンの変化
- 横隔膜と骨盤底の協調機能の回復——腹腔内圧コントロールの改善
- 腸腰筋・梨状筋・腸間膜の緊張緩和——骨盤内の「詰まり」の解消
- 骨盤底への直接的アプローチ(外部から)——過緊張の解放
尿失禁・慢性骨盤痛は、婦人科・泌尿器科での治療と並行しての施術も可能です。
よくある質問
産後の尿漏れが続いています。対応できますか?
はい。産後の骨盤底機能の回復はOQの専門領域のひとつです。仙骨・骨盤底・横隔膜のバランスを整えながら、回復をサポートします。産後6〜8週以降(医師の許可後)からが一般的な目安です。
検査で「異常なし」と言われましたが、骨盤の痛みが続いています。
よくある状況です。骨盤底の過緊張・仙骨の可動性低下・腸腰筋の問題は、通常の検査では見えません。触診で丁寧に確認します。
骨盤臓器脱と言われています。手術なしでできることはありますか?
手術の適否は婦人科医の判断ですが、骨盤底の機能を最大限に発揮できる状態に整えることは、症状の改善や進行の遅延に役立つことがあります。まずご相談ください。
担当:坂田雄亮(院長・BSc Ost)
オステオパシーは、体を「部位別の集まり」ではなく「ひとつのまとまり」として診ます。🌿 体全体を診るということ
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