小児の脳卒中(周産期脳卒中・小児期脳卒中)は、出生前後または乳幼児期に発症することが多く、片麻痺(へんまひ)を中心とした運動症状が後遺症として残ることがあります。
- 急性期の医療(小児神経・脳神経外科)
- 回復期の保険診療リハビリ(理学療法・作業療法・言語療法)
- ボツリヌス療法による筋緊張の調整
- 装具療法(下肢装具・足底装具など)
- 必要に応じた整形外科的手術(腱延長など)
- 定期的な小児神経外来でのフォローアップ
これらは大切な治療です。一方で、保険診療リハビリは期間や頻度に制限があり、お子さんの成長段階に合わせて長期的に動作を整え続けるには、医療機関だけでは届きにくい部分があります。
私たちは「症状を治す」立場ではなく、お子さんが本来持つ可能性を発揮しやすい身体の環境を整える立場です。脳の損傷部位そのものを変えることはできませんが、残された神経回路を育てることはできるとされています(神経可塑性)。
大人の脳卒中後リハビリで重視される神経再学習・運動学習の視点は、子供にも同じように当てはまります。むしろ成長期の子供のほうが、神経回路の可塑性が高いため、丁寧な動作経験の積み重ねが将来に大きく影響します。
また、子供は身体の使い方に「癖」がつきやすい時期です。麻痺側を使わない癖、姿勢の左右差、歩き方の偏り——これらが固定する前に整えることが、将来の動作の質を左右します。
なお、お子さんの状態評価・治療方針は小児神経・小児整形の専門領域です。当院は主治医のリハビリ計画と並行して、動きの質を支える役割として位置づけています。
麻痺側の感覚と動きの再活性化
使わなくなった麻痺側の感覚を、優しい触覚刺激と動作経験で目覚めさせます。「使える」と脳に伝える時間を増やします。
姿勢と左右バランスの調整
骨盤・脊柱・胸郭の左右差を確認し、成長期に固定化しないよう、動きやすい姿勢に整えます。
歩行分析と歩き方の最適化
装具を使った歩行・裸足での歩行を観察し、足部・膝・股関節の動きを段階的に整えます。
成長段階に合わせた動作練習
幼児期・学童期・思春期で必要な動作は変わります。年齢と発達課題に合わせたアプローチを選びます。
遊びを通じた感覚運動経験
楽しい遊びの中で、麻痺側を使う機会を自然に増やします。「やらされる」ではなく「やりたい」を大切にします。
親御さんへのセルフケア指導
家庭でできる関わり方・声かけ方法・遊びのアイデアを共有し、日常生活全体が育ちの場になるよう支援します。
成長段階に合わせた頻度設計
初期の集中期は、おおよそ1〜2週に1回のペースをお勧めしています。お子さんが新しい動きを覚えてくる感じが出てきたら、徐々に間隔を延ばしていきます。
無理のない範囲で続けられる頻度を、お子さん・ご家族と相談しながら設計します。「行くのが楽しみ」になる関わり方を大切にしています。
成長と共に伴走する
状態が安定している時期は、月1回程度のメンテナンスに切り替えることをお勧めしています。
身長が伸びる・体重が増える・新しいスポーツを始める——ライフイベントごとに身体の使い方は変わります。節目ごとに動作チェックすることで、思春期・成人期への移行をスムーズにします。
お子さんの可能性を、長い目で支える
小児の脳卒中後遺症は、お子さん本人だけでなく、ご家族にとっても長い旅路です。一進一退を繰り返しながら、それでも少しずつ動きが育っていく——そんな姿を一緒に見守らせていただけたら嬉しいです。
「できないこと」より「できること」を増やす視点で、お子さんのペースに合わせて関わります。
ご家族の不安・葛藤・希望——どれも一緒に共有しながら進めていきましょう。
※ 保有資格として、理学療法士を取得していますが、当院では整体師として活動しています。
※ 当院で提供するサービスは施術や運動指導であり、医療機関が提供するリハビリとは異なります。


