毎月来るたびにつらい。薬でごまかすしかない。そう感じている人は多い。
でも少し待って。あなたの体が「壊れている」わけじゃない。
問題は、あなたの体がこんなに頻繁に月経を経験するようには設計されていなかったことにある。
狩猟採集時代の女性は、ほとんど月経していなかった
人類が農業を始めたのは約1万年前。それ以前の数百万年、女性の体は全く異なる環境で進化してきた。
狩猟採集時代の女性のライフサイクルを想像してほしい。
- 初経は16〜17歳ごろ(現代より遅い)
- 結婚後すぐ妊娠
- 授乳期間は2〜4年(この間は排卵が抑制される)
- また妊娠、また授乳
- 閉経は45歳前後
この計算をすると、一生涯の排卵回数は約160回。
現代の日本人女性は? 初経12〜13歳、子どもは1〜2人、授乳は短め。その結果、一生涯の排卵回数は400回以上になる。
2倍以上の差。これが「排卵しすぎ」の正体だ。
月経は「コストのかかる行為」である
進化医学の観点から見ると、月経(子宮内膜の脱落)はエネルギーコストが高い。鉄分も失う。痛みも伴う。
なぜそんなコストをかけるのか? 進化的な理由は諸説あるが、有力なのは「不良な受精卵・病原体から子宮を守る清掃機構」という考え方だ。
つまり月経は「必要悪」ではなく、本来は数年に一度しか発動しない精巧な防衛システムとして設計されていた。
それを毎月、何十年も繰り返す——体への負担を想像してみてほしい。
PMSはなぜ起きるのか
PMS(月経前症候群)の症状——イライラ、むくみ、頭痛、気分の落ち込み——も同じ文脈で読める。
エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動が脳や体に影響する。これは「ホルモンバランスが崩れた」のではなく、本来は稀にしか経験しないはずのサイクルを毎月繰り返していることへの体の反応だ。
「何か悪いものを食べたから」でも「体が弱いから」でもない。設計と環境のズレ——ミスマッチ——が原因だ。
子宮内膜症との関係
さらに深刻なのが子宮内膜症だ。
子宮内膜が子宮の外に広がり、毎月の月経のたびに出血・炎症を繰り返す。この疾患の有病率は、過去数十年で急増している。
進化医学者たちは指摘する——子宮内膜症は「排卵の回数が少なかった時代」にはここまで広がる機会がなかった疾患だと。
月経の頻度が上がれば上がるほど、子宮内膜が「迷い込む」リスクも上がる。これも一種の「排卵しすぎ」問題だ。
OQでできること
オステオパシーは月経痛を「治す」魔法ではない。正直に言う。
ただ、骨盤腔の循環・仙骨の動き・内臓周囲の緊張——これらが月経時の痛みやPMSの症状に関わっていることは多い。
体の構造的な環境を整えることで、症状が和らぐ人は実際にいる。
そして何より——「あなたの体が壊れているわけじゃない」という理解が、長年の自己否定を解いてくれることがある。
まとめ——月経を「毎月の試練」から「体の声」として読む
| 近代医学の見方 | 進化医学の見方 |
|---|---|
| ホルモンバランスの乱れ | 過剰な月経回数による体への負担 |
| 体質的な問題 | 設計と現代環境のミスマッチ |
| 薬で抑える | 体の声として読み直す |
痛みを否定するのではなく、なぜこの体にこの症状が起きているのかを理解すること——それがOQの出発点だ。