歩くたびに前足部が痛む、足の指の間がしびれる、靴を脱いでさすると少し楽になる——そんな症状が続いているなら、モートン病かもしれません。
局所への対処だけでは再発しやすいのが実情です。この記事では、足全体・全身のバランスからアプローチするオステオパシーの視点でモートン病を解説します。
モートン病とはどんな状態か
モートン病(Morton’s neuroma)は、足の指の付け根あたりを走る神経が慢性的な刺激を受け、神経周囲の組織が肥厚した状態です。中指と薬指の間(3・4趾間)に起こることが最も多く、灼熱感・しびれ・ピリピリとした痛みが特徴です。
「歩いていると悪化して、靴を脱いでマッサージすると楽になる」という経過が典型的です。ハイヒールや先の細い靴を長く履いてきた方に多く見られますが、スポーツをしている方や長時間の立ち仕事の方にも起こります。
なぜ神経が刺激されるのか
前足部には横アーチと呼ばれるゆるやかな弧があります。このアーチが低下すると、指の間を走る神経が趾骨同士に挟まれやすくなります。次のような要因が重なると、神経への慢性的な刺激が続きます。
- 先の細い靴・ハイヒールによる締め付け
- 長時間の立ち仕事・歩行
- 足の回内(内側への崩れ・扁平足傾向)
- 足関節や足根骨の可動性の低下
「靴が悪い」のは確かです。しかし足の構造が崩れていると、どんな靴を履いても前足部への負荷が高い状態が続きます。
一般的な対処とその限界
インソールで横アーチをサポートする方法は有効な選択肢の一つです。ステロイド注射で炎症を落ち着かせることもあります。重症例では手術で神経周囲の組織を切除することもあります。
ただし、足全体の構造や歩き方が変わらないまま局所だけを処置しても、症状が戻りやすいのが実情です。インソールも、足の状態に合った処方でなければ効果は限定的です。
オステオパシーでできること
OQでは、痛みのある場所だけでなく、足全体の構造から全身のバランスまで評価したうえで施術を進めます。

足部・足根骨の可動性を整える
足は26個の骨で構成されています。硬くなった関節を丁寧に動かし、前足部にかかる負荷を分散できる状態を目指します。
横アーチをサポートする筋の働きを取り戻す
アーチを支える内在筋の機能が落ちると、骨と靱帯だけでアーチを保持しようとします。筋のバランスを整えることで、横アーチが機能的に維持されやすくなります。
歩き方・荷重パターンの評価
どのタイミングでどこに体重が乗っているかを確認し、前足部への負担を減らすための指導も行います。

まとめ
モートン病は「足の神経が慢性的に刺激されて起こる」状態ですが、その背景には足の構造や歩き方の問題があることがほとんどです。局所だけでなく、足全体・身体全体を診るオステオパシーのアプローチが、再発しにくい状態を作るうえで大切です。
靴を変えても、インソールを入れても症状が続くようであれば、一度ご相談ください。
参考文献
- Thomson CE, et al. “Interventions for the treatment of Morton’s neuroma.” Cochrane Database Syst Rev. 2004;3:CD003118.
- Bencardino J, et al. “Morton’s neuroma: is it always symptomatic?” AJR Am J Roentgenol. 2000;175(3):649–653.
- Sharp RJ, et al. “The role of MRI and ultrasound imaging in Morton’s neuroma and the effect of size of lesion on symptoms.” J Bone Joint Surg Br. 2003;85(7):999–1005.
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