「子宮筋腫があると言われた」「生理が重い」「なかなか授からない」
こういう悩みを抱えて婦人科に行くと、多くの場合、子宮や卵巣を中心に診断が進みます。それは当然のことですし、大切なことです。
でも、子宮は骨盤の中で「孤立した臓器」として存在しているわけではありません。
骨盤は「家」、子宮はその「住人」
骨盤を「家」に例えると、子宮はその中に住む「住人」です。住人がどれだけ健康でも、家が傾いていたり、配管が詰まっていたり、風通しが悪ければ、暮らしは乱れます。
骨盤の中で子宮を支えているのは、骨盤底筋・複数の靭帯・腹膜・内臓膜のネットワークです。そしてそこに血液を送り込む動脈、老廃物を回収する静脈とリンパ、機能を調節する自律神経が張り巡らされています。
この「骨盤という家の環境」が乱れているとき、子宮はどれだけ「正常」でも、その機能は制限されます。
婦人科症状とからだの全体
施術の現場でよく見るのは、婦人科症状と体の別の部分の問題が連動しているケースです。
たとえば——生理痛がひどい方に、同時に慢性的な腸の不調がある。子宮内膜症の方に、長年の腰痛や股関節の硬さがある。PMSが重い方に、横隔膜の動きが著しく制限されている。
これは偶然ではありません。骨盤という「家」の中で、腸・膀胱・子宮は隣り合って暮らしています。ひとつの緊張が、隣人にも波及します。
「検査で異常なし」でも症状が出る理由
婦人科検診や超音波で「異常なし」と言われても、生理が重かったり、PMSがひどかったりする——これも、この視点で考えると筋が通ります。
画像や血液検査で見えるのは「臓器の形と大きさ」です。でも骨盤底の緊張、靭帯の張り、内臓膜の癒着、仙骨の動きの制限——こういった「環境の問題」は、検査には映りません。
オステオパシーは、そこを手で確認するアプローチです。
症例:複数の婦人科症状を抱えていた40代女性
生理痛・PMS・慢性的な腰痛・便秘を同時に抱えていた40代の方。婦人科での診断は軽度の子宮筋腫のみ。
体を診てみると、右の腸骨筋・仙骨・横隔膜に強い制限があり、腸周囲の内臓膜も硬くなっていました。骨盤底が慢性的に過緊張の状態でした。
4回の施術後、「生理が楽になった。便秘もほぼなくなった。腰が軽い」とのこと。「子宮に触れていないのにどうして?」と不思議がっておられました。
それが「骨盤という家の環境」を整えることの意味です。

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