「オステオパシー、すごくいいと思うんだけど、人に説明できないんです」
患者さんからよく言われます。紹介したいのに、何をやっているのかうまく伝えられない、と。
確かにわかりにくいと思います。ベッドに寝て、静かに体に触れられて、よくわからないうちに何かが変わっている。マッサージのように「ここを押しました」という明快さがない。
今日はそこを、できるだけわかりやすく書いてみます。
マッサージ師の免許を持っているのに、筋肉を押さなくなった
私はあん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っています。つまりマッサージの訓練を受けた上で、今はほとんど筋肉を押して緩めるということをしていません。
なぜか。
臨床を25年以上続けてきて、筋肉の張りはほとんどの場合結果だとわかったからです。
筋肉が硬いのには理由があります。たとえば体の深い部分にある硬膜という膜の緊張が、末梢神経に異常な信号を送り続けていて、その結果として筋肉が硬くなっている。
マッサージは「筋肉が硬い」という事実に対してアプローチします。それ自体は間違いではありません。
でもオステオパシーは、その背後にある「なぜ凝るのか」「なぜ張らなければならないのか」を考えます。
ここが一番大きな違いです。
張っている筋肉を、あえて緩めない
たとえば、首の横にある斜角筋という筋肉が張っている患者さんが来られたとします。
マッサージ的な発想なら、硬いから緩めましょう、となります。
でも私はあまりそうしようと思いません。
なぜなら、その筋肉は張る必要があるから張っているからです。体のどこかに問題があって、そのバランスを保つために斜角筋が頑張って支えている。その理由を考えずに緩めてしまうと、体はさらにバランスを崩すことがあります。
これは家の建付けに似ています。
傾いた家で、ある柱が斜めに突っ張っている。その柱を「曲がっているから」と真っすぐに戻したら、家はもっと傾く。柱は傾きに対抗するために、あえて斜めになっていたからです。
体も同じです。張っている筋肉には、張っている理由がある。その理由のほうを先に解決する必要があります。

なぜ腰や首ではなく、骨盤や頭蓋骨を見るのか
症状が出やすいのは、腰と首です。これは偶然ではありません。
腰は骨盤と脊柱の連結部。首は胸郭と頭蓋骨の連結部。どちらも構造の切り替わる場所で、力学的に負荷が集中しやすい。つまり体の中で最も犠牲になりやすい部分です。
だからこそオステオパシーでは、症状が出ている腰や首そのものよりも、その上下にある大きな構造——骨盤、胸郭、頭蓋骨——に注目します。
これらの大きな構造に蓄積された力を見つけて解放していくと、連結部である腰や首にかかっていた過剰な負荷が減り、体が自分でバランスを取り戻していきます。

「見えない力の蓄積」を取り除く仕事
日々の姿勢、過去のケガ、手術の痕、出産、長年のストレス。こうしたものが少しずつ体の構造に力を溜めていきます。
目には見えません。レントゲンにも映らないし、血液検査にも出ない。でも体の中では確実に、骨格や膜、内臓を包む組織に力が蓄積されています。
体には優れた自己調整の仕組みがあるので、多少の蓄積はやりくりしてくれます。でもその調整にも限界がある。限界を超えたとき、症状として表に出てきます。
「急に腰が痛くなった」「きっかけがないのに肩が上がらなくなった」という場合、ほとんどは何年もかけて蓄積が進んでいて、最後の負荷で許容量を超えた状態です。きっかけは最後の一押しにすぎません。
蓄積を取り除くと、体が自分で動き始める
オステオパシーが目指しているのは「痛みをなくす」ことではありません。
蓄積された力を取り除いて、体が本来持っている回復力が働ける環境を整えることです。
家の例えに戻れば、柱にかかっている力を取り除けば、ドアは自然に閉まるようになります。ドアを直す必要すらありません。
体も同じで、構造にかかっている力が抜ければ、筋肉は自分で緩み、血流は戻り、神経の働きも整っていきます。体は、環境さえ整えばちゃんと自分で回復していく力を持っています。
25年以上、体の構造に手で向き合い続けてきて、それは確信を持って言えることです。
私たちの仕事は、その環境を整えるお手伝いです。
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体のことで気になることがあれば
「これって流れの滞りかな」と思いあたることがあれば、一度ご相談ください。京都・大宮のオステオパシー専門院OQが、症状のある場所だけでなく、体全体の巡りから読みといていきます。