頭痛は「頭の問題」と思いがちです。でも、頭痛で来られる方の多くが、同時に首のこり・眼の疲れ・肩の張り・呼吸の浅さを訴えます。
これは偶然ではありません。頭痛は頭の中だけで完結していないからです。
頭蓋・頸椎・横隔膜は発生学的にひとつながり
発生学的に見ると、頭蓋底・頸椎・硬膜は連続した構造体です。後頭骨の底部(後頭骨底部)と頸椎1・2番(環椎・軸椎)は、他の脊椎関節とは異なる特殊な構造を持ちます。この部位には脳脊髄液が通り、硬膜管が始まります。
さらに重要なのが横隔膜との関係です。横隔膜の腱中心は心膜・縦隔・胸膜と連続しており、横隔膜の動きは胸腔内圧を通じて静脈血流・リンパ流・脳脊髄液の循環に影響します。
つまり、「頭・首・横隔膜」はひとつの圧力調整システムとして機能しています。
進化的ミスマッチが頭痛を引き起こす経路
軸1(直立二足歩行)の問題:頭部の重心が頸椎のやや前方にある設計で、慢性的に後頭下筋群が過緊張状態にある。
軸2(現代環境)の問題:スマートフォン・デスクワークで頸椎前弯が失われると、後頭下筋群の緊張が増大し、硬膜を介して頭蓋内圧の微細な変動を引き起こすことがあります。
軸5(慢性ストレス)の問題:交感神経の慢性優位状態は頭頸部の血管収縮・筋緊張の亢進・横隔膜の収縮パターンの固定化を通じて頭痛を維持します。
これら3軸が重なって頭痛が引き起こされていることが多い。「鎮痛剤を飲む」は近接的なアプローチですが、この連鎖の背景には触れていません。
片頭痛について
片頭痛は三叉神経血管系の活性化を伴う複雑なメカニズムを持ちます。進化医学の視点では、三叉神経系の過敏性は「危険を察知する」ための感覚システムの過活性として理解できます。慢性ストレス・睡眠不足・ホルモン変動(女性では月経周期との関係が強い)が引き金になりやすい理由はここにあります。
OQが頭痛を診るとき
頭痛で来られた方に、OQは後頭骨・頸椎1〜2番の関係、硬膜の張力、横隔膜の動き、迷走神経の状態を一体として評価します。「頭が痛い」という局所の問題ではなく、「頭蓋・頸椎・横隔膜という連鎖システムがどこで詰まっているか」を読み取ることが出発点です。
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