子どもが熱を出すと、多くの親はすぐに解熱剤を出します。でも「熱を下げる」ことは、本当に体のためになっているのでしょうか。
進化医学にはこの問いへの明確な見解があります。
発熱は進化的に保存された防衛反応
発熱は魚類・爬虫類・哺乳類のほぼすべてに存在します。進化的に4億年以上保存されてきた反応です。恒温動物だけでなく、変温動物のトカゲも感染すると日光浴をして体温を上げる行動をとります。これだけ広く保存されているということは、生存に有利だからです。
熱が身体に何をするか
体温を1〜2度上げることで何が起きるか。
多くの病原菌は37度に最適化されており、38〜39度では増殖速度が落ちる。免疫細胞(好中球・マクロファージ・NK細胞)は体温が上がると活性が高まる。インターフェロン(ウイルス感染細胞が出す防御物質)の産生が増える。コラーゲン分解が促進されて炎症性物質の排出が速まる。
つまり発熱は「身体が壊れた」のではなく、「身体が最大速度で戦っている状態」です。
解熱剤は「楽になる」が「回復が遅れる」
1980年代から複数の研究が、解熱剤の使用が感染症の回復を遅らせる可能性を示しています。水痘や風邪での研究では、解熱剤を使ったグループが症状の持続時間が長くなる傾向があった。
解熱剤で楽になるのは事実。でもその「楽さ」は、防衛システムを一時停止させた結果です。
熱を下げるべき場合と、様子を見る場合
もちろん、すべての発熱を「放置すべき」とは言いません。40度を超える高熱が続く場合、熱性けいれんのリスクがある場合、基礎疾患がある場合は医師への相談が必要です。
進化医学が言いたいのは「38〜39度の発熱を、不快だからという理由だけで即座に薬で止めることへの再考」です。身体がシグナルを出しているとき、そのシグナルを読む前に消してしまうことの意味を考えてみてほしい。
OQと発熱——身体のシグナルを「読む」視点
OQでは「症状を消す」ではなく「症状が何を意味しているかを読む」という視点を大切にしています。発熱を含む症状は防衛反応の一部であり、その背景にある身体の状態——自律神経・免疫・筋膜の状態——を評価することが、長期的な健康につながると考えています。
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