2017年、エルサレム・ヘブライ大学のレビ・レヴィンらのメタ分析が世界に衝撃を与えました。
1973年から2011年の38年間で、北西洋諸国の男性の精子濃度が59%減少していたというデータです。わずか40年で、精子数がほぼ半分になった計算になります。
なぜこれほど急速に変化したのか
精子数の減少速度は、遺伝的変化では説明できません。自然選択が数%の変化をもたらすには何万世代もかかります。40年という短さは、環境の変化しか説明できない速度です。
進化医学が指摘するのは、現代環境に溢れる内分泌撹乱物質(環境ホルモン)との接触です。ビスフェノールA(BPA)・フタル酸エステル類・有機塩素系農薬——これらは女性ホルモン(エストロゲン)の構造に似た形を持ち、ホルモン受容体に結合します。
進化的事実:BPA(ビスフェノールA)はプラスチックボトル・食品缶の内側コーティング・レシートの感熱紙など日常的な製品に広く使われています。現代人の尿からはほぼ全員からBPAが検出されます。これは人類史上、まったく新しい「化学的環境ミスマッチ」です。
不妊は「女性側の問題」ではない
不妊の原因の約半分は男性側にあると言われています。しかし不妊治療の現場では、まず女性側の検査が優先される傾向があります。
カップル両方で早期に評価を受けること、そして男性側も生活習慣(睡眠・運動・禁煙・禁酒・ストレス管理・食事)を整えることが、不妊治療の効果を最大化する上で重要です。
OQのオステオパシーとの接続
不妊治療(ART:体外受精など)と並行して全身調整を行うことで、自律神経環境の安定・骨盤内循環の改善・ストレス応答の緩和を図ることができます。
坂田院長は女性の不妊・妊活ケアを専門としていますが、カップルの一方がOQでケアを受けることも、治療環境を整える一助になります。
よくあるご質問
環境ホルモンを避けるにはどうすればいいですか?
完全な回避は難しいですが、①プラスチック容器への熱湯・電子レンジ使用を避ける、②農薬使用量の少ない食品(有機・減農薬)を選ぶ、③缶詰の使用頻度を減らす、④レシートを素手で長時間触らない、などが基本的な対策です。
精子数が少ないと言われました。改善できますか?
生活習慣(十分な睡眠・適度な運動・禁煙・節酒・ストレス管理・バランスの良い食事・適正体重の維持)で改善するケースは多くあります。精巣は高温に弱いため、長時間の熱いお風呂やきつい下着も影響することがあります。泌尿器科での専門的な評価と並行して取り組んでください。
不妊治療中にオステオパシーを受けても大丈夫ですか?
多くの場合、不妊治療と並行してオステオパシーケアを受けることは問題ありません。ただし体外受精(IVF)の採卵前後など、治療のタイミングによって配慮が必要な場合がありますので、担当医師とご相談の上でご来院ください。