自律神経を「整える」とは、何を整えることか——進化的視点からの再定義

「自律神経が乱れています」——でも「整える」とは何を整えることなのか。進化医学の視点から考えます。

交感神経はライオンから逃げるために設計された

交感神経は数秒〜数分の急性身体的危機に対応するための「闘争・逃走システム」です。ライオンが来たら心拍が上がり、消化が止まり、筋肉に血が集まる。ライオンから逃げ切れば終わる——これが本来の設計です。

現代のライオンは終わらない

上司との関係、締め切り、経済的不安——身体にとってはライオンが何か月も追いかけ続けているようなものです。交感神経が慢性的にオンになり続ける。消化器の血流が不足してIBSが起きる。コルチゾール慢性高値で免疫が低下する。横隔膜の緊張が持続して呼吸が浅くなる。

「整える」とは安全のシグナルを入力すること

ヨガや深呼吸がなぜ効くか。「副交感神経を直接オンにする」のではなく、「慢性的に交感神経優位のシステムに安全のシグナルを入力する」ものです。特に横隔膜の動きは迷走神経(副交感神経の主幹)と密接に連動しています。

OQが自律神経失調にアプローチするとき

横隔膜の動き、迷走神経が走る頸椎・頭蓋底、腸間膜の張力パターン——これらが自律神経系の「ハードウェア」にあたります。「自律神経を整える」とは、ライオンがいなくなったことを身体に知らせることです。

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この記事を書いた人

京都オステオパシーセンターOQ 院長。英国スウォンジー大学 BSc(Ost) オステオパシー学士。小児・妊婦・皮膚・内臓・頭蓋オステオパシーを専門とする。

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