アレルギーは「免疫の暴走」ではなく、身体が本来守ろうとしたものが消えた話

アレルギーはよく「免疫の暴走」と言われます。でも、進化医学の視点からは少し違う見方があります。

IgEシステムは寄生虫対策として進化した

アレルギー反応の中心にあるIgE抗体。このシステムはなぜ進化したか。答えは寄生虫(蠕虫)対策です。人類の歴史のほぼすべての期間、私たちは回虫・鉤虫・条虫などの寄生虫と共に生きてきました。IgEシステムは、これらの多細胞寄生虫を体内から排除するために進化した精巧なシステムです。

標的が消えた——衛生仮説

20世紀の衛生環境の改善と寄生虫駆除によって、IgEシステムの本来の標的が急激に減少しました。標的を失ったIgEシステムが花粉・ダニ・食物タンパクに過敏に反応するようになった——これが「衛生仮説(Hygiene Hypothesis)」の核心です。「免疫の暴走」ではなく、本来守ろうとしたものが消えたシステムが別の標的に転用されてしまったのです。

なぜ都市部でアレルギーが多いか

農村部より都市部でアレルギーが多い。幼少期に土や動物に触れた子はアレルギーが少ない傾向がある。兄弟が多い家庭の末っ子はアレルギーが少ない。これらは「多様な微生物への暴露」がIgEシステムを適切な標的に向けるのに重要だという方向を示しています。

OQがアトピー・皮膚疾患を診るとき

皮膚疾患で来られた方に、OQは皮膚だけを見るわけではありません。慢性的な皮膚の炎症は横隔膜・腸間膜・骨盤底の筋膜パターンとも連動していることがあります。免疫系と自律神経系は密接に連動しており、慢性ストレスとアレルギーは同じ身体の中で相互に影響し合っています。

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この記事を書いた人

京都オステオパシーセンターOQ 院長。英国スウォンジー大学 BSc(Ost) オステオパシー学士。小児・妊婦・皮膚・内臓・頭蓋オステオパシーを専門とする。

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