成長期の痛みを和らげる3つの視点:オスグッド・シーバー病とどう向き合うか
はじめに
スポーツに打ち込む小学生・中学生の保護者の方から、「最近、膝下の出っぱりが痛いと言っている」「かかとを痛がって走れない」というご相談をいただく機会が増えています。これらは「成長痛」という言葉でひとくくりに語られがちですが、医学的にはオスグッド・シュラッター病(脛骨粗面の骨端症)やシーバー病(踵骨骨端症、calcaneal apophysitis)として知られる病態が中心です。今回は、京都オステオパシーセンター2Fでの臨床経験と、近年のシステマティックレビューの知見を踏まえて、ご家庭で意識していただきたい3つの視点をお伝えします。
第一章:筋肉と骨の成長ギャップが生む痛み
成長期は、身長が急激に伸びて骨が縦方向に長くなっていく時期です。一方で、筋肉の柔軟性は骨の成長スピードに必ずしも追いつかず、相対的に「短い筋肉が長くなった骨を引っ張る」状態が生じます。その結果、筋肉が骨に付着する部位、たとえば脛骨粗面(オスグッド)や踵骨(シーバー病)に強いテンションがかかり、繰り返しのジャンプ・ランニング動作と相まって痛みが現れると考えられています。
実際、Osgood-Schlatter病に対する保存療法の有効性をまとめたシステマティックレビューでは、活動量の調整、伸張運動、物理療法といった非侵襲的な介入が中心的な治療として位置づけられており、薬物療法や手術に頼らずとも改善し得る病態であることが報告されています(Neuhaus et al., 2021)。同様に、Sever病に対するシステマティックレビューでも、インソール・治療的運動・キネシオテーピング・足底装具などの保存的介入が、踵部痛の軽減と身体活動の維持に寄与し得ると示唆されています(Hernandez-Lucas et al., 2024)。
ご家庭では、スポーツ前後のストレッチ(特に大腿四頭筋・ハムストリングス・下腿三頭筋)を「丁寧に・痛気持ち良い範囲で」行うことが基本となります。あわせて、整体やオステオパシーで定期的なコンディショニングを取り入れることは、筋・腱・関節の柔軟性とアライメントを整える一助になり得ます。
第二章:筋緊張のコントロールと自律神経
お子さんが「常に力が入った状態」では、いくらストレッチをしても柔軟性は伸びにくくなります。思春期は学校生活・部活・人間関係など、想像以上にストレスがかかりやすい時期で、無意識のうちに身体が緊張しっぱなしになっていることも珍しくありません。
小児・思春期の患者腱付着部痛(patellar tendon related pain)に関するシステマティックレビューでは、痛みの慢性化や再発の背景に、過剰な練習量・睡眠不足・心理社会的ストレスといった複合的因子が関与し得ることが指摘されており、「単なる使いすぎ」だけでは説明しきれない複雑な病態であることが示唆されています(Cairns et al., 2018)。
ご家庭でできる工夫としては、ぬるめの入浴で身体を芯から温める、就寝前のスマートフォンを控える、寝つきの悪い夜は深呼吸を一緒に行う、といった「副交感神経を優位にする時間」を確保することが挙げられます。「練習でうまくいかなかった日」「試合で結果が出なかった日」ほど、結果を問い詰めるのではなく、安心して話せる雰囲気を整えてあげることが、結果として身体の柔軟性回復にもつながっていきます。
第三章:適切な休息と回復環境
トレーニングや部活動による負荷は、思っている以上に成長期の身体に蓄積していきます。回復のスピードを左右するのは「休息の量と質」です。
Osgood-Schlatter病・Sever病に共通するシステマティックレビューの結論として、相対的安静(relative rest)と段階的なスポーツ復帰が推奨されており、痛みを我慢して運動を続けることは症状を長引かせる可能性があると報告されています(Neuhaus et al., 2021;Hernandez-Lucas et al., 2024)。一方で、完全な運動禁止が必ずしも最善とは限らず、痛みの強さに応じて負荷を調整する「ペース配分」が望ましいとも示唆されています(Cairns et al., 2018)。
ご家庭での目安としては、毎日同じ時刻に就寝・起床する、就寝の1〜2時間前までに入浴を済ませる、補食を含めて1日3〜5回に分けてエネルギーとタンパク質を摂る、痛みが強い日は練習量を半分に減らす勇気を持つ、といった点が挙げられます。「頑張ること」と「壊さないこと」のバランスを、保護者の方が一歩引いた目線で見守ってあげてください。
おわりに
今回は、成長期の痛み(オスグッド病・シーバー病・成長痛)を和らげるための3つの視点として、筋肉の柔軟性、筋緊張のコントロール、適切な休息についてお伝えしました。これら以外にも、姿勢の偏りや動作のクセによって、特定の筋腱付着部に負担が集中しているケースも少なくありません。「痛みがなかなか引かない」「もっとパフォーマンスを伸ばしたい」とお感じの方は、どうかお一人で抱え込まず、専門家にご相談ください。当院でもオステオパシー的アプローチで個別に対応しておりますので、お気軽にお問い合わせいただければ嬉しく思います。
参考文献
(Neuhaus et al., 2021) A systematic review on conservative treatment options for OSGOOD-Schlatter disease
(Hernandez-Lucas et al., 2024) Conservative Treatment of Sever’s Disease: A Systematic Review
(Cairns et al., 2018) Therapeutic interventions in children and adolescents with patellar tendon related pain: a systematic review
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