夜中に目が覚めるのは不眠じゃなかった——二相性睡眠と進化医学的な睡眠の再定義

夜中に目が覚めて、それがしばらく続く。また寝られるかもしれないと不安になり、習慣的にスマホを見る。それがさらに覚醒を促す……。

夜中に一度目が覚めることは、実は全く異常ではないかもしれない。

目次

「二相性睡眠」の歴史的証拠

歴史学者のアル・エキルチ(Virginia Tech)は、中世ヨーロッパの文書・日記・裁判記録を丹念に分析し、「first sleep」と「second sleep」という二分割の睡眠パターンを発見した。

産業革命前のヨーロッパでは日没とともに就寝し、中夜ごろに一度起きて活動(瞑想・祈祷・読書・性的行為)を行い、後に再度眠りについた。人間の脳はこの二分割に最適化されていた可能性がある。

「夜中に一度目が覚める」こと自体を問題化することが問題だ

4時間寝たら自然に目が覚めることはある。これを「不眠」と診断して不安になり、スマホやテレビで気を晴らそうとすることで、さらなる不安が積み重なる悪循環を生み出してしまう。

進化医学的に言えば、「夜中に一度目が覚める」こと自体は異常ではない。異常なのは「その後に眠れない環境」だ。

産業革命が「8時間連続睡眠」を作った

産業革命以前、照明は蝋燭・油灯に限られ、人は日暮れとともに寝た。夜の長い冬には10時間以上「床にいる時間」があり、自然と二段階になった。工場労働の時代、「工場の始業時間に合わせて起きる・連続して寝る」という文化が生まれた。8時間連続睡眠は産業社会の発明だ。

オステオパシーとの接続

睡眠障害の背景には、自律神経の不均衡・横隔膜の緊張・呼吸パターンも関係する。呼吸と睡眠に関するやりとりに、オステオパシーが関われる余地がある。

よくある質問

Q. 夜中に一度目が覚めるのは不眠ですか?
A. 必ずしもそうではありません。その後に自然と眠れるなら、生理的な二相性睡眠の可能性があります。問題になるのは、「目が覚めた後に長時間眠れない」「日中の機能に支障をきたす」場合です。

Q. 睡眠薬を使わずに不眠を改善できますか?
A. 多くのケースで、睡眠衛生の改善(就寝・起床時間の固定、ブルーライト制限、室温管理等)と認知行動療法(CBT-I)が有効です。身体的なアプローチ(自律神経・呼吸・姿勢)も補助的に役立つことがあります。


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この記事を書いた人

京都オステオパシーセンターOQ 院長。英国スウォンジー大学 BSc(Ost) オステオパシー学士。小児・妊婦・皮膚・内臓・頭蓋オステオパシーを専門とする。

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