人工膝関節術後の痛み いつまで続く?

はじめに

人工膝関節全置換術(TKA)は、変形性膝関節症などで強い痛みに悩む方にとって、大きな希望となる治療法です。しかし、「手術を受けたのに、まだ痛い」「これって正常なの?」と、不安を抱える方も少なくありません。

今回は「人工膝関節術後の痛みはいつまで続くのか?」という疑問について、解説していきます。


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1. 退院後の痛みは半年後も続く?

はい、続く場合があります。

一般的に、術後の痛みは徐々に軽減していきますが、退院後も数週間〜数ヶ月は痛みを訴える方が多いです。

実際の調査では、TKA後の痛みは以下のような経過をたどる傾向があります:

  • 術後2週間:膝の前面(膝蓋部)や膝の裏(膝窩部)に痛みを感じる方が多く、約60~70%の方が痛みを訴えています。
  • 術後4週間:まだ膝蓋部の痛みが多く見られます。
  • 術後10週間:膝の前面の痛みは続いていることが多いですが、前下腿部に痛みが出てくる方もいます。

そして、6ヶ月経過しても痛みが残る方は全体の1〜2割程度いるという報告もあります。


2. 術前と術後の痛みの違い

術前の痛みと術後の痛みは、原因が異なります

  • 術前:関節内の変形・摩耗による痛み(いわゆる変形性膝関節症の痛み)
  • 術後:人工関節を入れたことによる「手術侵襲による痛み」

手術後の痛みは、筋肉や皮膚、骨に加わったダメージや、**神経の過敏化(中枢性感作)**によって起こることがあります。術後しばらくしても痛みが続く場合、以下のような可能性も考えられます:

  • 感染(少ないですが重大な問題)
  • 中枢性感作(脳や脊髄が痛みに過敏になっている状態)
  • 関節以外の痛み(筋膜や軟部組織、リンパの循環不全など)

3. 具体的な対策

術後の痛みが長引く場合、いくつかのアプローチがあります。

■ 医学的なチェック

まずは感染や関節の異常がないかを病院で確認することが第一です。

■ 中枢性感作への対応

痛みに過敏になった神経系を落ち着かせるために、感覚運動訓練(やさしい運動やリハビリ)や呼吸法、注意転換などの神経調整的アプローチが有効です。

■ 関節以外の原因にアプローチ

手術の影響で、筋膜やリンパ、循環系のバランスが乱れて痛みが出ている場合もあります。

このようなとき、オステオパシーによる軟部組織リリースや体液循環の調整が効果的です。

また、慢性炎症体質があると、痛みの回復が遅れることもあります。

食生活や腸内環境の見直しも含めた全体的なケアが求められます。


終わりに

人工膝関節置換術は、多くの方にとって「痛みから解放される手段」として大きな希望です。

しかし、術後の痛みが一時的に長引くのは珍しいことではありません

適切な経過観察と、医療・リハビリ・オステオパシーなどの複合的なアプローチによって、よりスムーズな回復が目指せます。

もし術後の痛みが気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

京都・四条大宮で、TKA術後の痛みに対するオステオパシーケアを提供しています。

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