脳梗塞後 ぶん回し歩行 原因 痙縮について知ろう

脳梗塞後 ぶん回し歩行 原因 痙縮について知ろう①

はじめに

みなさんこんにちは。京都オステオパシーセンターの大村です。

脳梗塞や脳出血の後遺症として片麻痺が生じると、多くの方が歩行の問題に直面します。その中でも「ぶん回し歩行」はよく見られる歩行パターンの一つです。本記事では、ぶん回し歩行の原因の一つである「痙縮」について解説し、痙縮がどのようにして発生し、歩行にどのような影響を与えるのかを考えていきます。

今回はこちらの文献を参考に画像なども引用させて頂いています。

 

1.痙縮の発生機序

痙縮とは、腱反射の亢進を伴う緊張性伸張反射(tonic stretch reflex)の速度依存性亢進を指します。脳梗塞や脊髄損傷などの中枢神経損傷後に生じ、筋の過剰な緊張を引き起こします。

痙縮筋では自発的な運動単位の発火が認められ、その頻度は中枢神経損傷後の回復過程で増加することが報告されています。このα運動ニューロンの興奮性増大には、以下の要因が関与すると考えられています。

  • γ錐内運動システムの変化
  • 脊髄運動ニューロンの内在的特性の変化
  • Ⅰa求心性入力のシナプス前抑制や相反抑制の減弱

このような神経系の変化により、筋が持続的に緊張しやすくなり、歩行時の異常な運動パターンにつながるのです。

2.痙縮と関係する神経路 網様体脊髄路 前庭脊髄路

痙縮には、皮質脊髄路(CST)よりも網様体脊髄路(RST)や前庭脊髄路(VST)が大きく関与していると考えられています。

  • 網様体脊髄路(RST) 網様体脊髄路は、脊髄全長に広く分布し、体幹や四肢近位筋の協調運動や姿勢制御に重要な役割を果たします。補足運動野や運動前野からの皮質-網様体投射を受け、予測的姿勢制御を担っています。しかし、皮質脊髄路と並走しているため、脳梗塞によって障害されると、伸張反射を抑制する機能が低下し、痙縮の発現につながります。
  • 前庭脊髄路(VST) 前庭脊髄路は、主に姿勢の維持やバランス調整に関与します。特に外側前庭脊髄路(LVST)は、伸筋のα運動ニューロンやγ運動ニューロンを興奮させ、筋紡錘の感度を調整する役割を持ちます。これにより、脳梗塞後に痙縮が生じると、歩行時に足が過剰に伸展し、ぶん回し歩行を引き起こす要因となります。

3.痙縮と非収縮性要素

痙縮により筋が過剰に収縮するだけでなく、筋そのものの「stiffness(剛性)」も増大します。これは、筋線維の構造的変化や、筋膜・腱などの非収縮性要素が影響しているためです。

筋の剛性に関与する要素として、以下の点が挙げられます。

  • 筋固有の架橋構造:筋収縮によって生じる内部の張力
  • 弾性要素:腱や筋膜の影響

脳性麻痺患者の筋線維の研究では、サルコメアの長さや細胞外マトリックスの影響が示唆されており、脳卒中後の痙縮筋においても同様の変化が起こる可能性があります。

終わりに

ぶん回し歩行の原因の一つである痙縮は、中枢神経の損傷後に起こる運動制御の変化によって発生し、歩行に大きな影響を与えます。特に、網様体脊髄路や前庭脊髄路の関与が大きく、これらの神経回路の調整がリハビリテーションにおいて重要なポイントとなります。

次回は、痙縮に対する具体的なリハビリテーションアプローチについて解説します。

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