手根管症候群

概要
手関節の掌側(手のひら側)で横手根靭帯と手根骨に囲まれたトンネルを手根管と言います。
手根管症候群は、手根管部のトンネルにおける炎症、骨折、奇形、腫瘤などのために、手根管が狭くなり、手根管内を通る正中神経が圧迫されて発症する絞扼性神経障害の一種です。
●利き腕の片側性であるが、患者の50%は両側性に同疾患がある。
●発症年齢は20〜90代と幅広い。 ●突発性の発症平均年齢50歳半ば。
●男女比は1:6〜10と女性が圧倒的に多い。
成因と病態生理
手根管症候群は正中神経が手関節の屈筋支帯の下で圧迫や絞扼の機械的刺激によって神経症状を発生させます。
この圧迫や絞扼の原因はさまざまあり、
使い過ぎ,妊娠などによる全身浮腫,手首の骨折,ガングリオン,肥満,血液透析後のアミロイドの沈着(アミロイドーシス),甲状腺機能低下症,痛風,糖尿病,慢性関節リウマチ...
などです。
近年、日本では長期血液透析に伴う患者が多数発生しています。
症状
正中神経領域(Top図青色領域)のしびれ感,知覚障害および母指球筋の脱力・萎縮が主訴となります。
しびれ感や痛みや夜間〜明け方にかけて最も強くでるのが特徴です。
症状が進行すると痛みのために目が覚めるようになり、更には母指球筋の萎縮が生じ、母指と他の指を合わせることができない対立運動障害が起こり、精巧な作業が困難となります。
検査
●ファーレン(Phalen)テスト
手関節を掌屈させて両手を強く合わせ押すと、しびれや痛みが強くなるか確認します。
●ティネル(Tinel)徴候
手根管の上を検査用ハンマーなどで叩き、指先にしびれや痛みが放散するか確認します。
●手根管内圧測定
安静時において15mmHg以上の手根管内圧があれば異常と判断します。(徒手での検査ではありません)
治療
整形外科学的な治療では軽症〜中等度では手根管を中間位で安定させる装具を着用させたり、ビタミンB12の内服や運動療法が適用されます。
症状が悪化すると手根管内へのステロイド注射や手術による横手根靭帯を切離し、手根管を解放する観血的治療が適用されます
手根管症候群に対するオステオパシー的考察
オステオパシーでは横手根靭帯によって絞扼されている正中神経にみアプローチするのではなく、手根骨や橈尺関節の微細な関節運動や前腕骨間膜の弾性、それらを含む上肢帯の連動性、胸椎、全身を考慮に入れてアプローチしていきます。
手根管が狭窄してしまうのにも必ず理由があり、オステオパシー的には手関節だけでなく、他の関節の可動性制限があるため、結果として手関節に問題を起こしていると考えます。








